河出文庫<br> 生活の世界歴史〈6〉中世の森の中で

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河出文庫
生活の世界歴史〈6〉中世の森の中で

  • ISBN:9784309472164

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内容説明

私たちの自然意識はどこから来たのか。ヨーロッパ固有文化の原点を十二世紀の生活に求めて、市民の一日、農民の一年、海に浮かぶ島のような城郭都市生活を通して、神と自然と人間の不思議な共存世界を描く。

目次

プロローグ 自然と時間の観念
市民の一日、農民の一年
攻撃と防御の構造
城をめぐる生活
神の掟と現世の掟
正統と異端の接線
「知」の王国
エピローグ パリ一市民の日記

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Narumi

4
昭和50年の初版で、デジタルで見ると粗い写真にも味わいがあります。タイトル通り、中世ヨーロッパの町や村とは森の海の中に点在する港のようなものだったという話で始まります。食事や時間感覚の細かい説明が面白い。『大聖堂』で「○時課のお祈りが」みたいな話がありますが、それが今の何時に相当するかなどという説明もあります。大学や思想の章に関しては、もう少し基礎をお願いします、って感じもして、パートを担当する著者によって雰囲気が違いますが、あとがきにあるように当時は少なかった生活史の本として興味深く読めます。2019/07/01

富士さん

3
再読。現代人にとって古代より中世の方が理解しづらいのではないかと思います。特に、個人の振る舞いにまで浸透した無権威状態、規律感覚の欠如、底の抜けた個人主義。裏返しである盲目的な信仰、暴力への衝動、命がかかった集団主義。これら矛盾する心性が明快に分裂して尚且つ常に同居している姿は、個人の自由を当然としながらもひとつの権威に盲従することに疑いを持たない現代人とは全く違ったものです。本書が殺伐としているのは、命の尊厳から自力救済だったこの時代をよく表しています。しかし、堀越先生の文章は相変わらず読みにくいなぁ。2015/12/11

夢読み

2
高校生の時、ファンタジーRPGにはまっていた時に読んだ本の再読。当時は武器や防具の話で盛り上がっていたが、今読むと後半の宗教と知を叙述しているところも味わい深い。キリスト教が人々の生活習慣に浸透していく過程、その一方で聖職者は決して宗教的に真摯な人ばかりではなかったことが語られる。そうこうしているうちに教会の権威にたてつく「知や感受性」がめばえてくる。ルネサンスの萌芽である。中世ヨーロッパの生活感を知るのに十分な内容だ。2017/03/02

卯月

2
再読、職場本棚。内容が多岐に渡るので、時間がかかると初期に読んだ内容を忘れる(汗)。農民、修道院、大学人などの生活も興味深いが、一番好きなのは「攻撃と防禦の構造」の章。城塞としての教会建築。外敵に対しての防禦と同時に、都市内部に対しても防禦。ロデーズやカルカッソンヌの城壁と塔だらけの地図見るとワクワク。「エピローグ――パリ一市民の日記」、ジャンヌ・ダルクのパリ攻撃を内部で体験して日記に遺した人物だが、ひたすら物の値段を記録しているほうが面白い。「市民の一日、農民の一年」パンや肉の消費量など食糧事情に関心。2015/07/04

更新停止中

2
多分読むの三回目ぐらい。「森」の概念についての記述が好き。2010/06/12

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