内容説明
人間は生き、人間は堕ちる──春浅い北海道をあとに上京した信介の、重く澱んだ倦怠の日々。歌手を目ざす織江は去り、学友たちは政治運動に青春を賭ける。訣別の哀しみと熱い屈辱感のなか信介は限りない虚無を見つめていた。苛酷な運動に翻弄される青春の苦悩を描く大河ロマン。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kaz
40
北海道から東京に戻ってきた伸介は、大学生活に戻ろうとするも思うようにいかず、またしても迷走してしまう。そんな中でも、新しい出会いが彼を待っていた…。いささか主人公に呆れる気持ちもないではないが、それは自分が大人だからなのだろう。当の本人は悪戦苦闘していることに違いはなく、彼の青春がどのような結末を迎えるかもう少し付き合ってみよう。好悪は別れるだろうが、若者が自分の人生を切り開こうともがいている姿は、眩しくもあり羨ましくもあり、応援したくなる。高校野球に涙するのも、同じマインドからくるのである。2018/11/28
aloha0307
26
学生運動に深く傾倒してゆく信介 butその欺瞞、矛盾に悩み行き詰まる😖「自分のもろさ、いたらなさ、知識のなさや、意志の弱さを幾度となくしらされた」2022/04/17
ちゃま坊
18
札幌でまたヤクザとトラブル。人斬り英治の手品のようなインチキトリックで切り抜ける。これまで英治は高倉健をイメージしていたが、それは崩れた。東京に帰って大学に戻ったはいいが、今度は左翼の学生運動にはまって内ゲバ事件に巻き込まれていく。大学生たちがソ連への憧れを持って音楽や文学を熱く語っていた。昭和30年ごろは、そういう時代だったらしい。2022/05/25
gtn
18
活動家を細胞と称したり、個人的な行為や感情よりもイデオロギーを上位に置く組織に組したことが、信介の堕落である。ともかく緒方と別れてよかった。2018/07/15
takachan
15
これも最初の文庫化のときに読んでいると思う。相変わらず、信介はうじうじしてわけのわからんことばかり。人斬り英治の方が言動一致でかっこいいね。次も読む。kindle2017/07/27
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