■骨の折れた傘のような主人公と図書館の神様?の不思議な出合いで物語が始まってゆきます。二人の間に流れる絶妙な時間。手にする方にぜひ!真冬に飲むサイダーの味をこの二人と共に味わっていただきたい・・・。 【細田順子・川越店】
森達也/新潮社 /\1,680(税込)
■半世紀を経てなお多くの謎を残している事件がある。「闇」の奥の糸を手繰り寄せては押し返される大きな歴史の流れの中で真実を掴むことができたのか?昭和史最大の謎は解明されたのか?知らないより知ったほうがいい?ジグソーパズルは完成したのか? 【大場由美子・札幌本店】■下山事件そのものすら私は知らなかった。故に、事件を一から掘り起こし、のめりこんでいく著者の姿に、こちらもいっしょに夢中になってしまった。まさに「下山病」に伝染されるが如く。さらに、この本の魅力として、現在のマスコミの在り様が興味深く書かれていることが挙げられる。著者は当初、取材結果を映像として発表しようとするが結局ボツ。さらに、某週刊誌に連載するも…。事件解決メデタシメデタシでは終わらないリアルさが心に残る。 【木島朋子・新宿本店】
■衝撃的なタイトルにリアルな性描写。内容は全て事実であり筆者の熱心な取材と熱意が伝わる一冊。最後には著者自身の幼少の頃の性虐待の経験まで綴られている。障害者への性介護に賛否両論があって当然なのだが、読み続けるうちに、障害の有無に関わらず、性について考えられ続けることに意味があるのではないかと思った。 【八木 祥・高槻店】
雫井脩介/ 双葉社 /\1,680(税込)
■臨場感あふれる警察小説です。幾多の困難に立ち向かう主人公・巻島。孤立しそうな巻島を全力で助ける数少ない部下。読んでいて、自分も捜査に参加し、少しでも巻島の手助けをしたいと思いました。確固たる意志を持った本当の男・巻島がそこにいます。 【藤井嘉人・大津店】
■「超愛してる」ということ(についてのこと)が、独特の文体でストレートに、SFに、詩的に、文学的に(←重要)書かれています。茶化して読むこともできますし、これは真実ではない、と言うこともできるでしょう。でも私は、舞城王太郎を信じていますし、舞城文学のリアリティを「愛して」ます。ぬるい私の頭をぎゃぼーんと起こした舞城文学。もう舞城”前”には戻れません。ゴー!マイジョウゴー! 【大津店/青木友香】
村上春樹/ 講談社 / \1,470(税込)
■淡々と夜が更け、淡々と夜が明けていく。それだけなのにひきこまれる。たった一晩のドラマに登場人物の人生が凝縮される。できるものならもう少しだけ、続きが読みたい。 【松井清正・熊本光の森店】
■これを読んで「あ〜、いるな。こんな人」と思ったあなた。実は気付かないだけで、あなたもこんな話し方をしている?!バカに見えない話し方の極意、教えます!! 【石田美恵子・福岡天神店】
糸井重里監修/糸井重里事務所 /\1,575(税込)
■「言いまちがいっていう本ありますか?」とお客様によく聞かれた。残念ながらタイトルをまつがって覚えているお客様が多かったです。ただまつがっているのはタイトルだけにあらず。本の角が一片だけ丸かったり、裁断が斜めだったり、とにかくみんなまつがいだらけ。本気でまつがうのはこんなにもおもしろい。 【伊達明子・札幌本店】
■種を蒔いても、きちんといつも手を入れて地盤を作っていなければ芽はでない。チャンスを与えられても受け止めるだけの地盤ができていなければそのチャンスから幸福は芽生えない。“その時”に備えて毎日焦らず自分を耕していきたくなる、そんなお話。 【鹿野珠美・福岡天神店】
小畑健、大場つぐみ /集英社 /各\410(税込)
■新世界の神になると称し犯罪者に裁きを下す夜神月。数々の難事件を解決してきた世界警察の影のトップ・L。追われる月と追うLの頭脳と心理のぶつかり合いは緊張感があり読みごたえ十分。スピード感ある展開に、人物の気持ちが伝わってくるすばらしくキレイな絵が加わることで迫力も倍増!必読です!!【柴田裕紀子・阪急32番街店】
■なんで自分だけこんなに我慢しなきゃならないんだ!!」なんて思っているアナタ。なんか心がにごにごしているアナタ。この本を読んでみて下さい。自分の思ったように生きるということは、こんなにもエネルギーが必要なことなのです。さぁ!!みんなで“悪党”になろう!!【佐藤妙子・グランドビル店】
池澤夏樹著/朝日新聞社/2,415円
■「こんなに素晴らしい人たちがいたんだ!読み進むうちに「なぜ?」とつぶやき、「なぜ!」と叫ぶ。人間の愚かさと思い込みの恐さを今さらのように心に刻む。かけがえのないものをどれほどたくさん捨ててしまったのか?いつのまにか北海道の民宿に泊まり暖かいストーブを囲んで物語を聞いている自分がいた。 【秋田元二・松山店】
■私は本が好きで好きで、本屋になりたくて、紀伊國屋を受けて、入社しました。けれど忙しい日々の中で、だんだんと本に対する愛着は、失われて行きました。そんな時、ある先輩が目をキラキラと輝かせて、この『世界のすべての七月』を私に教えてくれたのです。私は入社3年目ですが、こんなにも自分を助けてくれた本に出会えた事を、とても幸せだと思います。例えば夏の日。プール帰りのあの感じ。体のしんが熱くなる小説です。 【松下陽一郎・新潟店】
■サラリーマンの悲哀を人情味たっぷりにユーモアを交え、独特の荻原節で書き上げた。結局私達サラリーマンは同じ場所をくるくる廻るメリーゴーランドの様なものなのかもしれない。でもね、乗っていると楽しいんですよね、メリーゴーランド。共に頑張ろうぜぃ、宮仕え。 【百々典孝・本町店】
■こういう本を読む時、必ず9.11以降に書かれた本だと思って読むことにしています。答えは書いてないかもしれない。答えは自分で見つけなければいけません。読書とはそういうものだと思います。 【北村貴克・梅田本店】
■○上司と一緒に食事に行った場合は上司より高いものを頼んではいけない。○プレゼントをもらったときは必ずお返しをしなければならない。○日本では法律の条文どおりに進めようとするとヒナンされる。なぜか(世間では)「そういうことになっている」、その構造を解き明かした名著。 【福島 誠・札幌本店】
■文学賞=権威の象徴と思っていたのに、「芥川賞は目利きじゃない」「直木賞は賞を与えるタイミングを間違えている」とバッサリ。選考委員に対するツッコミにも笑いが止まりません。日本の文学賞は約500もありますが、この一冊でもう惑わされない! 【今井麻夕美・新宿本店】
■「負ける」というタイトルの言葉には、決してネガティブな意味が込められているわけではないものの、根本的に重厚長大産業である建築に対し著者が様々な限界を見出していることは確かなようです。ケインズ経済やバブル経済など、これまで建築を支えてきた経済的裏づけが失効した現在、建築にはどのような道が残されているのか。私のようなズブの素人でも引き込まれてしまうくらい、広くて深い著者の洞察に勉強させられます。 【森永達三・梅田本店】
■一日の大部分の時間を仕事に費やすからには、少しでも納得のいく仕事ができたらいいと思う。もっと若いころは「天職」とか考えたものだが、仕事って「何を」だけじゃなくて、「どんなふうに」「誰と」やるかが、それ以上に大事ではないかと思えてきた。紹介されている「仕事人」は、いわゆる「クリエイティブ゙な」仕事の人たちが多いのだが、印象に残ったのは、停車場所に工夫を重ねたことで予約が埋まるようになったタクシー運転手の話だった。 【有馬由起子・出版部】
■われわれは、みな間違いで今ここにいる。レオナルド・ダ・ヴィンチも、ネアンデルタール人も、カエルもダニも。間違いで偶然生命が生まれ、DNAを誤ってコピーし、生命が進化する。弟子を選び損ねたキリスト。インドを目指して出航したコロンブス。人類と生命の歴史はヘマの歴史である!! 【火口徹也・岡山店】
■大切な人が余命1年と宣告されたら。いったい自分は何ができるというのだろう。小説家の夫は妻のためだけに一日一篇のお話を書き続けることを約束しました。5年間で1778篇。その中の19篇と40年以上にわたる結婚生活が淡々と綴られています。切ないけれど悲しいだけで終わらない、夫婦愛のいっぱいつまった一冊です。最後の原稿の最後の行―「また一緒に暮らしましょう」。こんな風になれるなら、結婚って、夫婦って素晴らしい! 【塩入加奈子・梅田本店】
■こういう私的な回顧ものを読むと、その人の成り立ち=ネタ元がよくわかる。宗教学専攻でソウル留学経験があり、サイードの翻訳もしているけれど、今は映画史を生業としているヘンな大学教授はこうして生れた!68年はよく言われるように「革命の年」だ。同時に構造主義も原将人の自主映画も寺山修司の演劇もマンガ雑誌ガロも全部リアルタイムだった。ものすごく分厚い時代だった。僕たちが50歳になる10数年後、高校生だった80年代後半をどのように回顧できるだろうか? 【奥平 亨・経理部】
■失われつつある、昔ながらの数え方をジャンル別に特徴をまとめた一冊。日本語表現の豊かさ、古くからの日本語を財産として残しておきたいです。今日からはなんでも「1個」では恥ずかしくなる。 【高木千春・福井店】
■とにかく付属のCDが楽しい。なんと2枚組で150分もあるのだ。BGMにしても良し、全くクラシックが初めての人でも名曲をすぐ覚えることが出来る。なにせさわりなんだから。気に入らなかった曲はすぐ忘れてね。なにせさわりだけだから。 【M.H.・松山店】
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