内容説明
フランス全土が飢饉にあえぐ中、政治改革の意欲に燃えて全国三部会に乗り込んだミラボーとロベスピエール。しかし、僧侶と貴族の特権意識のせいで、議会は全く進まない。反発して国民会議を立ち上げた平民代表部会は、王の軍隊に威圧され、大衆に人気の平民大臣ネッケルも罷免された。たび重なる理不尽にパリの民衆が激怒、弁護士デムーランの演説に立ち上がる! 歴史巨編、動乱の第二巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
53
いよいよ革命の幕が上がります。全国三部会では議論が平行線のまま議会閉鎖という屈辱を味わったことが国民議会の発足に繋がったのでしょう。ネッケルは財政再建しか念頭になく、民衆の怒りを買うのは当然ですね。デムーランの演説に応じるように遂に暴動が勃発します。いよいよ革命へと動き、銃の火と血の匂いにまみれる戦いの直前まで来ています。息もできない緊迫感が物語に張り巡らされ始めました。2014/10/29
KAZOO
46
フランス革命もこのように物語的に読ませてくれると人物像が生き生きとしてきます。ミラボー、ロベスピエール、デムーランという人物が結構魅力的に見えてきますね。2014/08/17
金吾
33
歴史の教科書で見た話も出てきており興味がましてきました。結果を知っているものから見るとわずかな妥協を惜しんでより多くのものを失った特権階級に哀れを感じました。あとネッケルが予想外に小物感がありました。2021/08/11
眠る山猫屋
25
やっぱりミラボーが熱く素晴らしい。死の予感すら笑い飛ばしながら己の為すべき事に邁進してゆく様は、双頭の鷲の主人公を思い出させてくれた。ロベスピエールに続いて二人目の操り人形デムーランもただのマリオネットではない、ミラボーに背中を押されたとはいえ、流れを作りただ流されるだけの男じゃなかったみたい。2014/06/30
朗読者
19
いたるところが糞尿にまみれ鼻がもげるような異臭に包まれるパリと、庭園の草木の香りでそうでもないベルサイユって話しか印象に残らず、記憶の中のベルばらの名場面が糞尿にまみれた汚い地面に書き換えられていく前半。。。あまり見せ場なくゆっくり進む前半はいまいちでしたが、デムーランの登場から息を吹き返しました。非武装で丘に陣取るデムーランら蜂起市民に武装騎馬軍が攻め寄せ万事休す。その時起きた奇跡は何と。ここのラグノオのくだりはどう取ればよいのか。コントか。まあコントなのだろう。面白くなってきました。続きも楽しみです。2023/09/16