内容説明
「女は何よりも、男の肌身に添うているべきものだ」「な、なある……」おなじみの密偵おまさと、大滝の五郎蔵が、平蔵の粋なはからいで夫婦となった。おまさは、少女の頃から平蔵にひそかな想いを寄せており、平蔵もそれを知らぬわけはないのだが……苦労人・鬼平の面目躍如たる「鯉肝のお里」、内部から暗殺計画が! 鬼平まさに危うしの「白い粉」ほか、「雨引の文五郎」「泥亀(すっぽん)」「本門寺暮雪」「浅草・鳥越橋」「狐雨」の全七篇収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
128
この中には7編が入っています。かなりの強敵に対峙して危ういときにイヌに助けられます。このイヌを自分の飼い犬にしてこれからも楽しませてくれるのでしょう。また密偵同士の婚姻や部下の婚姻で仲人を務めたりします。最後の「狐雨」が結構毛色の変わった話で印象に残りました。2017/05/22
kinkin
70
「本門寺暮雪」ハラハラする動きある話もあれば「鯉肝のお里」のような探索に重きを置いた話、「狐雨」今で言うなら怪奇現象の話、「白い粉」鬼平の洞察力。どれもそれぞれが味わいのある話。鬼平犯科帳で面白いのは盗賊のネーミングにもあると思う。そして小説でありながら書かれたイメージが感じ取りやすいところだ。「泥亀」「鯉肝のお里」と呼ばれる由来なども絶妙だ。ずいぶん前に読んだことを思い出した。ほんとうは1巻から順番に読むのが正当なのだろうがそれでなくても楽しめる。解説は好きな詩人である中桐雅夫氏。2015/12/26
ポチ
59
平蔵を助けた柴犬のクマが仲間?になり、今後の活躍が楽しみ‼︎おまさが結婚しましたね〜!ちょっとビックリ‼︎夫婦で鬼平の手伝いですね(^^)2017/04/30
momogaga
48
積読解消。もっと早く読めばよかった。鬼平に魅力にハマりました。小説の舞台がよく知っている場所なのも◎です。江戸がますます身近に感じられます。2017/08/09
Kiyoshi Utsugi
44
池波正太郎の「鬼平犯科帳(九)」を読了しました。 ・雨引の文五郎 ・鯉肝のお里 ・泥亀 ・本門寺暮雪 ・浅草・鳥越橋 ・白い粉 ・狐雨 の七篇の短編が収録されています。 中でも個人的に面白かったのは、「本門寺暮雪」。大田区池上にある池上本門寺(日蓮宗の大本山)で、長谷川平蔵が凄い奴と斬り結ぶシーンが中々素晴らしい。また本門寺に行ってみたくなりました。😀2023/04/13