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内容説明
マンガやアニメ、ゲームの影響で、海外からも注目される日本の妖怪。これほど多種多様な妖怪文化が花開いた国は他にない。アニミズムと、仏画・絵巻で教えを説く絵解きの結びつきがその背景にはある。式神、つくも神、百鬼夜行をはじめ、目に見えない異界のものたちは、どのように絵画に描かれてきたのか。50年にわたり妖怪を研究してきた第一人者が、研究史を振り返りつつ、自らが挑んできた妖怪にまつわる5つの謎を解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
イトノコ
18
妖怪博士の小松先生がいくつかの妖怪についての来歴や伝承について解説。取り上げられるのは飛鉢法と剣の童子、もののけ、土蜘蛛、キツネとタヌキなど。なぜそういう性質や形になったか、絵画や伝承を比較して検討するのがさすがは学者さん。興味深かったのは、キツネとタヌキが化ける際に何故葉っぱを頭に乗せているか。言われてみれば小さい頃読んだ昔話では葉っぱを乗せていた。もともとキツネが人に化けるのに髑髏や髪の毛を載せていたのが水藻を髪の毛に見立てるようになり、それが葉っぱに変化したと。化け方もカジュアル化したのだなぁ。2026/06/23
M2
3
文面にある、『妖怪を研究するということは、歴史を研究することでもあり、それを通じて人間社会を理解することにもなるのです』が人通り読んできたら深く味わう事になる。2026/08/22
huchang
3
さらりと読める。幻覚妄想系の話などを聞くともなしに聞いていると、大昔は狐憑き。もう少し時代が下ると、宇宙の謎が分かったとかFBIだのMI6だので、冷戦下ではスパイ系の妄想が多かったそうだ。最近では集団ストーカーだの外国人の陰謀だのが増え始める。妖怪も同様で、都市が形成される過程で百鬼夜行、付喪神が出現しているのがよく分かる。サイズ感は重要で、これは怪獣・ホラー映画にも言えることだからこれも現代に通ずる。やっぱおもしろい。2026/07/16
あいあい
2
人類学者民俗学者妖怪学者小松和彦先生による「妖怪学」入門書(思えば小松先生の著作は1980年代から読んでいるな)。「妖怪」そのものではなく「妖怪学」がどんなものかを教えてくれている。日本の妖怪の多彩さ、先生の学問遍歴が語られ、妖怪学の方法を、妖怪関連絵巻物の謎解き、絵巻物の謎を解くところから見えてくる日本の歴史、妖怪としての狐と狸の分析を通して具体的に示してくれる。講演を元(そういえば一度先生の講演にも行ったな)にしているのでとても分かりやすく、すらすら読める。読めば「妖怪学」が好きになるぞ。2025/04/27
福ノ杜きつね
2
著者が『信貴山縁起絵巻』を研究していた頃、たまさか手に取った本に、自身が辿り着いた結論が既に書かれていてガックリしたこと、一方で、自力で先行研究に等しいところまできたという達成感もあったというエピソードが語られる。学問の厳しさと楽しさが表れているように思う。日本における妖怪研究の流れを概観できる、初学者にも読みやすい一冊。2025/04/19
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