河出文庫<br> 源氏物語 5

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河出文庫
源氏物語 5

  • 著者名:角田光代【訳】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 河出書房新社(2024/05発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309420981

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内容説明

栄華を極める光源氏への女三の宮の降嫁から運命が急変する。柏木と女三の宮の密通を知った光源氏は因果応報に慄く。すれ違う男女の思い、苦悩、悲しみ。最高峰「若菜(上・下)」から「鈴虫」までを収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あきぽん

52
近代文学としても最高傑作の「若菜」。運命の皮肉、それぞれの苦悩が手にとるようにわかる。気弱な朱雀院、頼りない女三の宮が、悪気なく華やかな源氏と紫の上を苦しめる…。源氏物語がなぜ世界最高傑作といわれるのか今更ながら再認識。柏木の恋の罪悪感は夏目漱石の「こころ」に負けていない。そして表紙が「猫」なのもいいね!2025/03/06

ベル@bell-zou

36
「若菜 上」朱雀院の娘・女三の宮を嫁にする光君。その女三の宮に言い寄る柏木。「若菜 下」朱雀院の手前、姫宮(女三の宮)を無下にも出来ず頭を悩ます光君。出家を懇願する紫の上、止める光君。猫を愛でる柏木。「柏木」病床の紫の上から離れない光君。思いを遂げ死ぬ柏木。若宮を産み出家する姫宮(尼宮)。「横笛」親友・柏木を亡くした夕霧(光君の息子)。「鈴虫」母・六条御息所の供養に勤しむ秋好中宮。>>何というドラマ!そして六条御息所、怖っ。柏木と姫宮の密通にかつての自分と亡き藤壺との秘め事を重ねる光君、大人になったなぁ。2024/09/14

もえ

24
「若菜(上)」から「鈴虫」まで。光君も40歳。現代なら還暦くらいか。紫の上と穏やかな老後を過ごせたはずなのに、朱雀院の愛娘の女三の宮を嫁に迎えることで悲劇の連鎖が始まる。唐猫が巻き上げた御簾から女三の宮を垣間見た柏木。姫宮への思慕が高じて彼女の猫を可愛がるばかりか、ついに密通を果たし姫宮は懐妊する。かつて父帝から藤壺を寝とった光君だが、柏木にネチネチと嫌味をいう徳のなさが露呈。女三の宮は出産し、柏木は絶命。誰もが苦悩し、幸せにならないやり切れなさ。源氏物語最大のテーマ「因果応報」が見事に描かれた巻である。2025/04/17

buuupuuu

24
女三の宮の降嫁によって、紫の上は自身の寄る辺なさに思い至り、苦悩する。寄る辺なさや、はかなさなどの、存在の危うさとでもいうべきものを、物語の登場人物たちは共有しているようだ。それは女性ばかりではなく、男性についても言える。若いころ、光君は柏木と同じようなことをしていたのだから、柏木のようになっていてもおかしくなかった。光君が栄華を極められたのは、たまたま運がよかっただけだとも言いたくなる。だから、多くの登場人物たちが、神仏に祈ったり、縁を頼ったりして、自分や、自分の大切な人の存在を守ろうと格闘している。2024/11/15

mocha

18
「若菜」から「鈴虫」まで。光君39歳~50歳頃。この長い長い物語の、起承転結で言えば、いよいよ「転」。特に「若菜」は最高傑作と言われるだけあって、どうなるか知っていてもぐいぐいと惹き込まれる。女三の宮の所の唐猫が御簾を捲り上げて、物語が動き出す。柏木はその唐猫を手に入れ「(唐猫が)来て、ねうねう、といとろうたげになけば、かき撫でて、うたてもすすむかな、とほほ笑まる」(ここ原文)の辺りは、一途で切ない。またも夢のお告げや物の怪が登場し、誰も彼もが絶望して出家したいと訴える。5の表紙はもちろん猫。ねうねう。2025/01/18

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