内容説明
■□■ 大重版が続く超人気シリーズ、待望の6巻! ■□■
珠(たま)を守るため自らを封じた銀市(ぎんいち)。彼を救うべく、珠は命を賭けて封印に入り込む。刻限は彼女を守る髪飾りの牡丹の花が散りきるまで――。
しかし、封印の中で再会した銀市は記憶を失い、珠を「知らない」と言い放つ。珠はそこで、人を拒絶していた遠い過去の銀市を知ることに。それでも一心に彼のことを想い……。一方の銀市も、見知らぬはずの少女・珠に記憶を揺さぶられ、どうしようもなく彼女に心寄せてしまう己に戸惑っていた。
刻々と時が迫るなか、封印の内側では、銀市の人生の岐路(きろ)となった江戸の大火事件が再現され……?
■□■ 登場人物紹介 ■□■
上古 珠(かみこ たま)――数えで16歳となる小柄な少女。銀市に助けられ、雇用される。
古瀬銀市 (ふるせぎんいち)――外見は20代後半の青年。寒空に放り出された珠を拾い、見守る。
瑠璃子(るりこ)――ボブカットの美女。カフェーで働いているモダンガールだが、その正体は……。
御堂智弘(みどうともひろ)――眼鏡をした、三十代半ばの黒髪黒目の軍人。銀市と付き合いがあるようなのだが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はなりん
33
シリーズ6巻。銀市さんが掛軸に封じられ、帰りを待つ珠。掛軸に異変があり、珠が掛軸の中に入り銀市の過去と想いに向き合う。龍である部分、珠を傷つける事を恐れ、このまま消えることを望む銀市に、ひとりで向き合い、現実世界に引き戻そうと奮闘する珠。時間制限がある中ハラハラしました。今巻はほぼ2人の世界だったので、それぞれの心や想いが存分に語られドキドキしました。次巻で半妖編は終了だそう。その後も続くそうで楽しみです。2024/09/01
mariann
25
ものすごく気になる展開で終わった前作。今回は珠ちゃん、封印された銀市を迎えに掛け軸の中へ⁈なかなか素っ頓狂な展開だけど掛け軸の中の世界は珠の事を知らない銀市が居て‥ ここは銀市が心を残した世界なのでつつがなく生活を送っているようで様々な時空が歪んでる。彼が心を許した豊房は豪放磊落な人物で珠を暖かく迎え入れてくれる。彼の存在が銀市には必要だっただろう。リミットは灯佳様からもらった牡丹の花弁がなくなるまで。大丈夫だとわかってはいるもののドキドキハラハラ。次回はアダムについてだろうか。楽しみです。2024/04/15
よっしー
24
掛け軸の中に入って出てこなくなった銀市を救う為、自らも掛け軸の中へと入った珠。受け身だったのが、主体性を持って動いている所に成長を感じました。2人のすれ違いも、最終的にはきちんと言葉をかわした事によって距離が縮まり、嬉しい限りです。まだまだアダムとのトラブルは解決してないけど、今の2人なら乗り越えれると変な確信を持ちつつ、次に進みます!!2025/01/15
冬野
23
シリーズ6作目。ほぼ一年ぶりの新刊。なんだか感情描写がものすごくお上手になってませんか…!?とても良かった。まず強い意志が宿った表紙の珠の表情にグッとくる。空っぽだった珠が銀市から受け取った温かい感情を、今度は銀市に返していく…エモい構図ですねえ。半妖ゆえの銀市の葛藤に寄り添い、二人で生きるための道しるべを見つけ出す。四季の移ろいと共にある生活も、銀市の友人・豊房(鳥山石燕)もよい彩りとなっていた。状況としては足踏みだけど、心情的にはとても大きな一歩。次巻(早めに出ると嬉しいな)も楽しみです。星:5/52024/03/30
coco夏ko10角
19
第6弾。銀市を救うため珠は封印の中へ。けっこう二人でちゃんと話せたしだいぶ気持ちの距離が近づいたかな。珠強くなったなぁ。最後幸福な風景でほんとうによかった。あとがきの感じだとシリーズ思ってたより長く続きそうだ。2024/05/06