内容説明
■珠は寒空の帝都で不思議な髪色の男に救われる。これが運命の転換点だった――。■
寒空の帝都に放り出された珠。彼女の窮地を救ったのは、不思議な髪色をした男・銀市だった。
口入れ屋の旦那である銀市の厚意で、珠は住み込みで働くことに。感謝する珠だが人ならざる者がみえて贄とされた過去により、上手く感情を表せない。一方の銀市も複雑な境遇のようで……だからこそ珠を思いやってくれる。
恩に報いるため健気に勤める珠は、店でも信頼を得て平穏を知る。しかし、帝都で続く少女の失踪事件に否応なく巻き込まれ――。秘密を抱える珠と銀市が、お互いの居場所を見つけるまでの浪漫綺譚。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっか
83
新刊。富士見ノベル大賞審査員特別賞受賞作。大正時代辺りが舞台の、ヒロイン、謎を秘めたヒーロー、妖たちの、危うくもほっこりする怪異譚♪まあヒーローの正体はタイトルバレしてるとして。笑 ヒロイン珠も特殊な生育歴ながらがんばる姿が応援したくなります。みんなちょっとずつ色々なことを受け入れながら成長していく姿が良い。まだお互い無自覚で(周りは分かってるけど的な)恋う、まで行ってない感じなので続刊希望〜!銀市がデレるところを早く見たいです(≧∇≦)笑2020/07/31
ミヤビ
52
千と千尋の神隠しを連想させるストーリー。妖を見ることができる珠は前の職場をクビになってしまった。しかし、口入れ屋の旦那、銀市の厚意で住み込みで働くことに……。私好みのお話でした! 妖達が個性的で面白い。最初は感情を表に出さない珠をなかなか好きになれなかったのですが、その理由がわかった途端「そりゃそうなるわ」と納得。きっとこの本は泣けるお話ではないと思いますが、私は最後の方でポロポロ涙が止まりませんでした。珠が愛おしくてたまらない。続きが出たら絶対買う。2020/12/06
dorimusi
45
正直表紙買いですが、意外と外さず面白かった。 明治から大正✖️妖系のはなしは定期的にくるなぁ。幸せな結婚の二番煎じなのかどっちが先か知らないけど。。。 まぁでもこれは続き買うなと2023/05/28
mariann
39
これ、好きな話!故郷の村で贄として育った珠。とある事情で帝都に出てくるも妖に邪魔されて全然仕事に根付けない。またクビになり途方に暮れていた時に出会った口入れ屋銀古の主人銀市。彼の元で一時預かりの女中になるが…。舞台は大好きな明治。人と妖が共存していた時代に、互いが健やかに暮らせるよう気を配る銀市がいいし、天然な珠の発言も可愛い。そして御堂の特異事案対策部。彼の苗字が久堂だったら…ってちょっとニヤけた(笑)この先も銀古の面々が事件を解決する話が読みたい。気になったのが、お味噌汁をよそる?昔の言い方?2021/09/04
はなりん
39
故郷で贄として生きてきて感情を殺すことが当たり前で自己評価が低いヒロインの珠。半神の銀市に助けられて色んな妖と接していくうちに段々感情を取り戻していく。周りの妖達が優しく、猫又の瑠璃や櫛の貴姫など珠を守ろうとする姿に凄く心が温まる。銀市さんの優しさとちょっとした不器用さが相まって凄く素敵!ツボにはまります!軍人の御堂もいいキャラなので、是非続編を希望!2021/02/28