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内容説明
幕末を舞台に贈る伝説の剣士・伊庭八郎の一代記。慶応2年、うまく進まない長州討伐…江戸に戻れぬまま体調を崩した将軍・家茂は逝去。身命賭して使えていた八郎は葬儀が終わった後も喪に服す…一方家茂の喪を発し長州との戦いを休戦にするが圧倒的に劣勢の幕府は改革を余儀なくされることに…!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
39
大政奉還前後。徳川慶喜の改革を理解できている者は少なく、朝廷では最大の理解者・孝明天皇が崩御する。薩長が推す天皇の即位により、慶喜と孝明天皇が願った“公武一和”の夢は梯子を外された形に。そんな大嵐の中、一介の武士に過ぎない伊庭八郎は翻弄されていく・・・。歴史上、愚君と描かれる事も多い徳川慶喜。人間関係においては巧者ではなかった彼の不運と苦悩が伝わってくる。もはや斜陽の徳川幕府への義理と夢を捨てられない武士、そして庶民たちの希望の無い戦いが始まっていく・・・。2024/04/18
Die-Go
35
第二次征長の失敗には、将軍家茂の逝去が大きく影響していた。八郎達もやむを得ず江戸へと帰ることに。この混乱期を詳しく述べてくれているので、時代背景がよくわかる。戊辰の変を迎え、混乱の極みへと日本は巻き込まれていく。★★★★☆2024/04/02
JACK
12
☆ 江戸幕府の末期、異国の脅威に圧倒された幕府。これに対し、尊王攘夷を掲げて倒幕に動き出す薩摩藩と長州藩。激動の幕末で徳川家に命を捧げてきた伊庭八郎は倒幕の大きなうねりの中、どう戦うのか。繰り返される戦による物価高、民の中で広がる不安や不満による一揆や打ち壊し。いつ終わるか分からない生活の苦しさで治安の悪化していく江戸の様子が読んでいて息苦しい。現代日本の様子に通じる部分もある。日本の政治家にも読んで欲しい作品。2024/04/14
さとみん
8
視点の違い!それだー!!!と内心で叫んでしまったが、私が江戸っ子視点になれないのが八郎の側から気持ちが離れた原因らしい。この先は八郎にとって苦難の道だが、少し離れた所から眺めていられるので読みやすいかもしれない。幕末に限らないが、史実ベースの物語はどこに視点を置くかで見える景色がガラッと変わるのが面白い。2024/03/30
笠
6
4 新刊読了。将軍家茂に続けて孝明天皇が崩御。慶喜が将軍位に就いたばかりのタイミングで、もっとも重要な後ろ盾を失うことになってしまう。そしてついに大政奉還、王政復古の大号令と、本格的に明治新政府へと時代の流れが傾いていく。このあたりは必ずテストにも出るくらいの重要な歴史の転換点だが、何となく現実に連なる政権ということもあり、幕府よりも新政府目線で考えてしまうフシがあったので、幕臣目線から描かれる世の動きや心理描写が新鮮で面白い。2024/04/15