内容説明
正義に連れられてみのる、良太、真鈴の3人は岡山へとやってきた。地元中学で教員をしている、正義の友人・谷本の案内で博物館を訪れるためだった。正義に惹かれている真鈴は、正義と谷本の関係が気になって? 中華街で中国人のクラスメイト、そしてヒロシと名乗る人物と体験した関帝誕。そして実家の裏のお屋敷で、リチャードと正義たちとの仮面舞踏会。母と会えないのは寂しいが、正義とリチャードと過ごすたび、みのるの宝物は増えていく。みのるの新しい世界が広がっていく…! 珠玉の夏の物語。
目次
case.1 小旅行とビカリア
case.2 茅ヶ崎とシーグラス
case.3 関羽と紅珊瑚
case.4 体育祭とパリュール
case.5 舞踏会とシャンデリア
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カナン
47
大人として守らなくてはいけないものが出来た時、覚悟はしていても疲れるよねぇ、うんうんわかるよ正義ってなる巻。前回からみのる君視点なので宝石自体に関する話は薄くなりますが、「面倒な存在」にならないように周囲の顔色を窺って、それでも苛まれる子供たちの哀しみと寂しさに寄り添い続ける正義とリチャードのブレのなさに救われる。みのる君が恋愛方面に鈍感なのはやっぱり…と思いつつ、その原因を乗り越えることが正義の人生の課題でもあるよねとも思いつつ、でももうあいつ出てきて欲しくないよぉぉぉ、って喚く自分の中の子供がいます。2024/04/14
よっち
35
地元中学で教員をしている、正義の友人・谷本の案内で博物館を訪れるため、正義に連れられて岡山へとやってきたみのる、良太、真鈴の3人。みのるが正義とリチャードと過ごす珠玉の夏の物語を描く第十三弾。正義に惹かれていて谷本の関係が気になる真鈴、中華街で中国人のクラスメイトやヒロシと名乗る人物と体験した関帝誕。そして実家裏のお屋敷でリチャードと正義たちとの仮面舞踏会。なかなか母と会えないことが気がかりなみのるに真摯に寄り添う正義がとてもらしいなと思いましたけど、リチャードや周囲の人々の優しさもとても心に沁みました。2023/10/18
mikarin
28
いつもながらマイクロアグレッションについて考えさせられる。読んでいると色んな気付きがあります。三部はみのるくん目線だからこそ正義とリチャがふたりきりのときの空気が甘く濃密に感じられるのかも。聞いてはいけないものを聞いてる感じというか。2023/10/22
きたさん
21
みのるの日常をベースにした連作短編集。複雑な背景を抱えた中学生を中心に据えた新シリーズは、この現代を生きる私達にも大切なことをたくさん教えてくれているなぁと感じます。作中の些細な出来事に心を揺さぶられ、すぐ目が潤んでしまう。そんな素敵な作品をリアルタイムで追えていることが本当に幸せです。2023/11/18
山猫
12
おー、アルレッキーノ!スモックをスモッグとはいただけないが、それ以外は合格かな?みのるはもっと子供らしく振る舞っていいのに……無理矢理大人らしく心を抑え込んでいるのが痛々しい。宝石や石の装いを選ぶことはタイトルをつけることと似てる気がする。タイトルとは物事の全部を一言で表すワードである。本物の父と一緒にいるどころか会ったこともないみのる。林くんに言っても仕方ない。2023/12/30