内容説明
大学卒業後、岡山の中学校教師として理科部顧問を務める谷本晶子と生徒の日常(「結晶の姫君」)。ヴィンセント梁が香港でリチャードの助手として働きながらもリチャードを裏切り、ジェフリーと通じていた時代(「龍の季節」)。正義とリチャードと下村の他愛ない日常(「楽しい日」)。スイスの全寮制学校に在籍していた頃のリチャードとジェフリーの思い出(「エドワード・バクスチャーの数奇な半生」)。若きオナラブルとしての仮面の下に鬱屈を抱えたジェフリーとヨアキムとの運命的で数奇な出会い(「悪魔を憐れむ歌」)。「宝石商リチャード氏の謎鑑定」シリーズに登場した欠かすことのできない人物たち、それぞれの過去とその後を収めた珠玉の短編集!
目次
結晶の姫君
龍の季節
楽しい日
エドワード・バクスチャーの数奇な半生
悪魔を憐れむ歌
Ca, cest Paris
輝きのかけら
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カナン
72
ヤーアブルニー。Web掲載されていた時に意味を検索した人は、静かな刃で胸を貫かれたと思う。教師になった谷本さん、香港時代のヴィンスとリチャード、幼少期のクレアモント家、青春の大学生組、そしてジェフとヨアキム。前巻のアウティングで非難の声も上がっている中で、勿論誤魔化すはずも濁しすら無く、正々堂々と魂の殺害の罰と罪をぶつけ合う兄弟に息が止まりそうだった。ジェフも、絶対幸せにならなきゃね。えくぼのある笑顔を見せてくれるまで、従弟も実兄も見守ってるから。きらきら、ころころ、ぽろぽろ、瞬いて転がる、幾つもの欠片→2021/06/20
しゅてふぁん
59
短編集。ジェフリーの話が重かった。クレアモント兄弟は抱えているものが大きいせいもあってか、生きにくそうな性格してるなー。ジェフリーにもいい出会いがあって良かった。正義とリチャードと下村の他愛ない日常は読んでて懐かしかった。その頃と比べると正義は随分と(色んな意味で)遠いところまできたなぁと。続巻が楽しみ。2021/12/19
よっち
57
「宝石商リチャード氏の謎鑑定」シリーズに登場した欠かすことのできない人物たち。それぞれの過去とその後を収めた珠玉の短編集。岡山の中学校教師として理科部顧問を務める谷本晶子と生徒の日常、ヴィンセントがリチャードを裏切りジェフリーと通じていた時代、正義とリチャードと下村の他愛ない日常、スイスの全寮制学校時代のリチャードとジェフリー、ジェフリーとヨアキムとの運命的で数奇な出会いなど、これまでの展開を思い返しながら読んでいくと、それぞれがなかなか趣深い短編集でした。個人的にはやはり谷本さんが気になっちゃいますね。2021/09/02
ぽんすけ
56
私の好きなゴルゴ谷本が出ているではないか!とテンションが上がった1話目。岡山でいい先生してて純朴そうな生徒達にも慕われてて本当に良かった。理科部の顧問もしてるとか、ビスマスの結晶って初めて聞いたので思わずググってしまったんだが、めちゃくちゃきれいで不思議な形でびっくりした。こんなのができるの?自分の高校時代の化学部とか思い出してみるが、こんな実験とかしてる雰囲気じゃなかったな。こういう部活だったらぜひ入ってみたかった。あとジェフリー。彼の人生がヨアキムさんとの日々の中で幸せに彩られたものになってほしい。2023/01/21
ううち
51
第11弾。短編集でした。なるほど『輝きのかけら』。 谷本さんやヴィンセント、ジェフリーや学生の頃のリチャードのお話。 教師となった谷本さんと生徒のお話も良かったけど、リチャードと正義の関係と比べてわかりやすいからか?ジェフリーとヨアキムのお話が好きでした。1巻から再読案件。2022/04/11