内容説明
スペイン・バレンシア地方にある小さな村。そこにあるサン・ビセンテ・エスパダ教会には、スペインの名高い聖人、聖ビセンテに纏わる聖剣が祀られていた。
ある時、真昼から美しいオーロラが教会の真上に現れ、村が悩まされていた風土病が治まった。その後、教会に勤める司祭のもとに主からの御言葉が下される。
主の言葉通りに定められた日に教会へ向かうと、そこには同じように主の声を聞いたという11人の男女が集っていた。
聖剣を取り囲むように待つ彼らは、聖剣から不思議な音が発された後、再び主の御言葉を聞く。それは聖剣が下す預言であった。
山間の大火事や政治家の不正の発覚など、聖剣の預言は次々と的中し、ついにはバチカンへ奇跡認定の申請書が送られる。
申請を受けた平賀とロベルトは、バチカンに属する事になったマギー・ブラウン神父とともに現地への調査に赴くが……。
聖剣の下す預言ははたして本物なのか――? イケメン神父コンビが謎に挑む、大人気オカルトミステリ本編第18弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
69
ガルドウネの関わらない奇跡判定の舞台はスペイン・ヴァレンシア。聖なる剣の周辺で起きる幾つもの奇跡。平賀とロベルトに加え、マギー神父が参加、三者三様のアプローチで奇跡の謎に挑むが・・・。謎の風土病が激烈過ぎる~(苦笑)ロベルトが向かい合う聖剣の由来は興味深かった。ノルマンコンクエストから始まるアーサー王伝説には成る程となった。確かにキリスト教は拡大にしたがって様々な伝承・信仰を呑み込んできているんだよね。そしてささやかな奇跡認定に、ちょっとホッコリ。2024/11/13
ぽんすけ
36
表紙誰だー?新しい人か?と思ってたらまさかのマギー神父!2回しか出てこないし勝手にもっとゴツイ人だと思ってたら、まさかの喫煙冷静切れ者キャラ。めちゃくちゃカッコいいじゃないの…。今回の奇跡調査はスペインの聖剣にまつわるもの。ロベルトと平賀のコンビは相変わらずですね。だけど平賀はもう少しロベルトのご飯を食べてあげて!一生懸命作っても食べる人の反応が薄いとテンション爆下がりなので。そして初めての奇跡認定がこんな形で。うーん正直奇跡はもっと感動的なものを予想してたんだけどな。でも奇跡は奇跡おめでとうございます。2023/10/16
けろり
34
ハラハラドキドキ、中々興味深かったです。 物語を追っていく中で、ロベルトの台詞や気持ちに何度も「そうだよな!」と相槌を打っておりました。最後はまさに急展開でした、2023/11/17
カナン
32
実在のトランプ大統領の名前まで出すようになってから嫌な予感はしてたんですけど、どんどん冗長になっていくこのシリーズ。風呂敷いつになったら畳み始めるんだろう。これ以上サブキャラ増やさなくていいよ、おまけみたいな奇跡認定今更そんな理由でぽいっと出されても脱力しちゃうよ。そんな理由で認定されるならこれまでの調査何だったんですか。せめてちゃんと今後の伏線であってくださいよ、その奇跡。滲み出るネタ切れ感と参考資料そのまま、みたいな頁が増えてきたので、完結編が出る頃までは様子見した方がいいかもしれない。2025/05/28
さくりや
29
久しぶりのシリーズ。ブランクがあったため翻訳調の文体や神父コンビの得意分野熱弁に慣れるのに時間がかかった。が、テンポが掴めてくるとやはり面白い!平賀もロベルトもシン博士も品行方正なので、アルバーノのアウトサイダー具合が良い味を出している。後半の真相解明パートの知識でゴリ推す感じはバチ官シリーズでしか読めないのよ……!こういうシンプルな奇跡調査のストーリーの方が好きだなあと思う反面、ガルドウネとローレンはどうなったのかも気になる。『チェンソーマン』第2部然り、新興カルト宗教を悪の拠点にするの流行っているの?2023/08/25