内容説明
一編15分、世界がぐるりと裏返る。
本格ミステリ作家クラブが選んだ2023年の本格ミステリ短編の最高峰!
☆☆☆
目次
序 本格ミステリ作家クラブ会長 麻耶雄嵩
今村昌弘氏「ある部屋にて」
結城真一郎氏「転んでもただでは起きないふわ玉豆苗スープ事件」
潮谷験氏「二〇XX年の手記」
矢樹純氏「血腐れ」
荒木あかね氏「同好のSHE」
白井智之氏「モーティリアンの手首」
道尾秀介氏 「ハリガネムシ」
解説 阿津川辰海
☆☆☆
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
65
今村さん既読。大半が登場人物の心境もあってか全体的に重くどんよりした雰囲気が付き纏う。今村さん以外で言うと意外とストレートな潮谷さん、顛末を知った某人物の反応(鬼の首取った感ありそう)が気になる荒木さん(やっぱデビュー作はあれ意識してたか)、著者の言葉込みでニヤニヤ驚き出来た白井さんが個人的に好き。しかし、道尾さん読むとソブケンさんが「動かぬ証拠」で出来なかったやつ今出来るのではと考えてしまう。2023/06/17
うまる
38
2021年のから読んでいますが、一番つまらなかったです。年間選書というより普通のアンソロジーレベルで、話題の作家の作品を並べただけって感じ。前年のレベルが高かっただけに落差が凄いです。 推し作家の矢樹さんと白井さんもなんだかな~。矢樹さんは、なぜ今、この作品で選ばれたのか謎すぎる。これが著者の傑作だと思われたら腹立たしい。白井さんは、せっかく真相がよくできたSFミステリなのに、余計な描写が多い。暴力とか鬼畜な描写を入れなければいけないという強迫観念でもあるんだろうか。来年も同じ選者なら買わないな。2023/06/26
ひさか
35
7編の本格ミステリアンソロジー。結城さんのゴーストレストランシリーズが良かった。シリーズを読んでみたい。他、いずれもラストであっ!となるのが心地よい。2023/09/27
のりすけ
29
白井さんの作品目当て。期待通りでとっても面白かった。「そっちか~~~い!」どれも平均以上の出来栄えだけど、今村さんと結城さんと潮谷さんは、ちょっと好みじゃなかったかな。個人の嗜好なのでお許しください。矢樹さんのホラータッチも好き。荒木さんは「新刊読まなきゃ!」となっちゃった。道尾さんは相変わらず完成度高いなぁと感心。考察の余白があってうまいと思うの。2023/09/24
おうつき
29
矢木純のみ初読み。ここに選出されている時点で一定以上の質は担保されているようなものだけど、それにしてもどの作品も面白かった。今村昌弘はミステリ作家としての地力が凄いので、特殊設定に頼らずとも面白い作品が書けるのだと再認識。潮谷験は一風変わった切り口だがぐっと引き込まれる。荒木あかねはデビュー作と同じ二人の女性を主軸に話が展開されるが、読後感が最高だった。白石智之はこういうのを書かせたら右に出る者はいないよなと苦笑い。道尾秀介は趣向が面白かった。スマホの音量調整をミスっていたせいで、心臓が止まるかと思った。2023/07/02