内容説明
脅し。暴力。独断専行。検挙率の高さに反して、高樹良文の一課での評判は悪かった。政治家を背後に巻き込んだ連続殺人事件の捜査でも、獲物を追う姿は変わらないはずだった。関係者として親友・幸太が浮かび上がる瞬間までは……。捨てた美しい思い出が蘇り、何かが狂い始める。追走劇の先に待ち構える真実は? 獣よ、生き続けよ、最後が絶望だとしても。「豪快さや強さの中にそれを上回る優しさがある。作品に登場する漢達の“深い絆”や“哀しみ”は、きっと北方先生の根底にある繊細な部分が反映しているに違いない」――EXILE AKIRA氏も絶賛!! 高樹刑事の背が翳りゆくシリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
64
〈老犬シリーズ〉2作目。27歳になった高樹良文は警視庁捜査一課の刑事になっていた。検挙率は良いものの1匹狼で独身。政治家が背後に絡む連続殺人事件の捜査で幸太と再会。出会った瞬間から破滅を予測させる展開。「やめてくれ」と願いながらページをめくる手が止まらない。男の匂いが湧き上がってくる文章、ハードボイルドの面白さをぎゅっと濃縮した作品。胸を締め付けるような痛みと共に読了。2024/05/04
taku
14
― 感想も、ハードボイルドに ― 外は、雪が舞い散っている。開いた本は、シリーズの二作目。一作目は、まだ手を付けていない。順番に読むことが、重要だとは思わない。本というのは、生きることの意味が書いてある、と私は思う。あるようで、ない。ないようで、ある。本を閉じると、風は静まり返っていた。 2025/01/30
あいあい
4
「老犬シリーズⅡ」。いかにして高樹刑事があのおいぼれ犬となったのか。もう、泣かせる。読点の多い短文のリズム。身体と身体のぶつかり合いのシーンにおける体言止め(というより単語一語だけのセンテンス)。酔わせるセリフ。登場する男達がことごとくかっこいい! そして甘いセンチメンタリズム。これぞ北方節。これぞ俺の愛したエイティーズ・ハードボイルド。「挑戦!シリーズ」再読しようかな。2023/05/14
にやり2世
1
終盤はどうか自分の予想する結末になりませんようにと祈りながら読んでた。2025/05/07
えみねむ
1
図書館2025/03/09