内容説明
終戦直後。母親を病気で失い、父親が復員してこない良文は、盗みを繰り返しているうちに、浮浪児狩りに捕まる。だが、収容施設で親友の幸太と再会、二人は収容所を脱走して、飢えをしのぎながら、厳重に守られた防空壕の隠匿物資を強奪しようとする。食うや食わずの生活。多くを大人に搾取されながら、盗んだ洋酒や煙草を闇市で売りさばいて命を繋ぐ。望まぬ早熟。仲間の裏切り。闇。魂を毀されるような暴力を見せつけられ、良文の中に獣が生まれた。老いぼれ犬と呼ばれた高樹良文刑事の眩い刹那を描くシリーズ第一弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
61
〈老犬シリーズ〉一作目。終戦直後の東京で13歳の高樹良文は田代幸太と出会う。浮浪児狩りの収容施設から逃げた2人は食べるものがない暮らしから、知恵を使い大人に搾取されながらもたくましく生き抜いていく。北方作品に登場する高樹警部の少年時代とのことだが未読なので初読み。この時代の作品は綺麗事ではすまされず、生きる事があたりまえでないと思わせるものが多いが、こちらもそのとおりで、かなりヘビーなハードボイルド。2024/05/03
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
25
高樹良文刑事を゙主役にした三部作の1作目。 今作は、終戦直後の少年時代。 わずか13歳の良文と幸太が、「二人合わせると二十六だ。立派な大人だぜ」と強がらなければ生きていけない非情な世界に圧倒される☆ 2023/09/04
ブゥりん
9
初読みの作家さん。ずっと気になっていたので、本屋さんでシリーズ全部購入。戦後の混乱期。大変な時代を生き抜く少年たちの話。その描写がとてもリアルで、読むほどに苦しい。良文や幸太がこのあとどのように成長するのか。とても楽しみ。彼らの人生を見届けたい。シリーズ2へ。星4★★★★☆2024/03/19
Nobuko
4
久しぶりに北方謙三さん かなりきつい話だけど 老犬シリーズ読みましょうっと2023/04/28
ゆう
3
戦後の混沌とした中で生きるために、大人も子供も関係なく奪い合う姿が悲しい。必死で生きていくってこういうことなのかもなぁ。2025/03/01
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