内容説明
堅物の侍が殿の下命で町の裏長屋の大家に。
店子は元藩士の隠密!
瓦版に描かれた奇妙な絵…。
藩主から真相を探るように仰せつかった元藩士たち。
隠密に姿を変えた十人が、絵に隠された真相を暴く!
小栗藩主の松平若狭介から「すぐにも死んでくれ」と言われて、権田又十郎は息を呑むが、平然と落ち着き払い、ひれ伏して、「ご下命とあらば…」と覚悟を決める。ところが、なんと「この後は日本橋の裏長屋の大家として生まれ変わるのじゃ」との下命だった。勘兵衛と名を変え、藩のはみ出し者たちと共に町人になりすまし、江戸にはびこる悪を懲らしめるというのだが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
59
堅物の侍の権田又十郎は藩主・松平若狭介の下命により、勘兵衛と名を変え、藩のはみ出し者たちと共に町人になりすまし、江戸にはびこる悪を懲らしめる。文章がやさしくお話のテンポが快適でスイスイと読めた。なぜに藩士らが隠密にならねばならないのか?そのへんの設定も作り込んである。又十郎が勘兵衛になっていく過程も興味深い。簡易ながら隠密メンバーのキャラも書き込まれてワクワクする。今回は辻斬り事件を追う展開。それぞれに特技を活かし刑事ドラマ的に探索。もうちょいケレン味があってよい気がするがまずは面白い。2巻も読んでみる。2023/08/10
kieth文
23
江戸時代中期、戦乱の世ははるか昔の事となり、今や平和な治世と思えばそうとばかりも言えないらしい。小栗藩主の若狭介から隠密になれと言われた9人。男たちは武士から町人になりきって市井に潜入して闇に隠された悪事を退治する。色々な職業に化ける化け方が適材適所で巧妙だ。そして今となってはあまり知られていない江戸時代の人々の生活が描かれていて面白かった。他の作品も読んでみたい。2025/05/03
マカロニ マカロン
13
個人の感想です:A-。隠居した武士が藩主の命令で第二の人生として町人となり隠密が住む長屋の大家として悪を懲らしめていく。晦日になると普通は家賃を払うものだが、この長屋は逆に3両の給金が出る。男女合せて9人の隠密には夫々得意技があり、内偵を進めていく。会社を退職後次の生きがいを探す現代の中高年にはうらやましい話。日本橋田所町、通旅籠町、湯島妻恋町、本所亀沢町等など聖地巡礼をしたくなるお話。武士の言葉遣いや所作が町人のそれとは違うというあたりも興味深く読んだ。会話文主体のテンポの良い展開で、続編が楽しみ!2023/01/05
おだまん
12
江戸の隠密をめぐる小説。武士、町人の身分や生活ぶりが生き生きと描かれていてユーモアもあって魅力的。実際の長屋のあたりを散策して一層イメージがわきました。ここからが始まりという感じです。2025/05/02
ごへいもち
10
続きがあれば読もう2023/08/21
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