内容説明
ピアノと日本語を教えている笹森恭子が、自宅のベランダで首吊り自殺をした。部屋には、ある作家に誤りを指摘した手紙に対する返信が残されていた。警視庁捜査一課の吉敷竹史は、現場に不審を抱き、殺人説を唱える。そんな時、またもや自殺者が。しかも、恭子に来ていたのと同じ作家からの葉書が……。本格推理の鬼才が、現代の世相を鋭く抉った異色の長編力作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
213
昔から「“若者の”言葉の乱れ」みたいな事は再三言われますね(21世紀に入って久しい現在、もう言われていない?)。又は「言葉□□の誤用率○○%」と言うアンケート結果とか。近年では日本語の研究者や、辞書の編纂に関わる方の声を聞き易い環境にあり。それに依ると、言葉というのは乱れると言うより柔軟に変化するものと言うのが、概ねの見解の様に思いますが如何でしょう。当時の荘司さんはそう言うのに辟易して、又は一石投じる為に、印幡沼氏に私見を語らせたのでしょうかね?ミステリーの部分も書きたいけど、紙幅が無くなっちゃったよ。2022/04/19
Kircheis
97
★★☆☆☆ ある有名作家の殺人事件と、2人の女性の自殺の真相を吉敷が探る話。 ら抜き言葉について詳細な考察がなされており、島田さんが実際に読者から指摘されて激怒なさっているのではないかと勘ぐってしまった。 吉敷以外のほとんどが性格に問題ある登場人物で辟易したが、教師の大竹をワーストに認定したい。2019/08/17
coco夏ko10角
27
吉敷竹史シリーズ。ミステリーより途中の「ら抜き言葉」や日本語についてのあれこれがなんかすごかった。2021/02/04
Tetchy
26
まずタイトルを見て、「何だこりゃ!?」と面食らった。『幽体離脱殺人事件』と1,2を争う変なタイトルである。しかし、内容は吉敷シリーズで結構渋く、扱っているテーマも歪んだ学校教育という社会問題を挙げ、手堅く纏まっている。この頃の島田荘司はこの動機付けのエピソードが面白く、謎解き部分が逆に添え物になっているきらいがある。2009/05/19
かるん
20
著者の思想に相変わらずブレがない。作品を通して一貫している女性論、日本人論についてかなりページを割いて書かれている。吉敷シリーズ自体にそういう要素が多めだがこの作品はそれが特に顕著だった。トリックがどうこうという話では無かったが、かなり楽しめた。2015/04/05
-
- 電子書籍
- 押忍!! 空手部 完全版じゃコラ! 第…
-
- 電子書籍
- 御伽噺を翔ける魔女【タテスク】 第15…
-
- 電子書籍
- ザ・シェフ(分冊版) 【第124話】 …
-
- 電子書籍
- 来迎國/らいごうのくに(2) マンガワ…
-
- 和書
- 補陀落渡海史