富士見ファンタジア文庫<br> 週に一度クラスメイトを買う話 ~ふたりの時間、言い訳の五千円~

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富士見ファンタジア文庫
週に一度クラスメイトを買う話 ~ふたりの時間、言い訳の五千円~

  • 著者名:羽田宇佐【著者】/U35【イラスト】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 特価 ¥616(本体¥560)
  • KADOKAWA(2023/02発売)
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  • ポイント 150pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784040748788

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内容説明

彼女――宮城は変だ。週に一回五千円で、私に命令する権利を買う。一緒にゲームしたり、お菓子を食べさせたり、気分次第で危ない命令も時々。秘密を共有し始めてもう半年経つけれど、彼女は「私たちは友達じゃない」なんて言う。ねぇ宮城、これが友情でないのなら、私たちはどういう関係なの?

 あの人――仙台さんでなければいけない理由は、今も別にない。私のふとした思い付きに彼女が乗った、ただそれだけ。だから私は、どんな命令も拒まない彼女を今日も試す。……次の春、もし別のクラスになったとしても彼女はこの関係を続けてくれるだろうか。今は、それがちょっとだけ気がかりだ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

芳樹

45
標題通り、とある切っ掛けで高校2年の女子・宮城が、一回五千円で同級生女子の仙台さんを買うお話し。友達でも恋人でもない、かといって赤の他人でもない二人が”売買契約”のもとに交流を深めていくうちに、何となくお互いがお互いの居場所になっていく。そんな二人の様子が淡々と綴られていく様子が、実に美しく心に突き刺さります。名前の付けられない関係の彼女たちが最後に行った行為は、二人のあり方を変えていくに違いない。二人がこらからどんな関係になっていくのか。続きを楽しみにしています。2023/02/18

よっち

38
ふとしたきっかけから、1回五千円で週に1~2回、同級生の宮城の部屋で命令される権利を行使される仙台。いつしか気まぐれな彼女の日常に振り回されるようになってゆく青春小説。一緒にゲームしたり、お菓子を食べさせたり、気分次第で危ない命令も時々。秘密を共有し始めて半年経っても、友達でも恋人でもないそんな曖昧な関係。ストレスの溜まる学校生活や家庭環境に疲れて、なのに居場所となりつつある宮城の考えていることが分からないことにイライラする展開は分かる…と思いながら読みましたが、踏み込んでここからどう変わるのか期待です。2023/02/17

わたー

27
★★★★☆め…めんどくせえええええ。スクールカースト中の下である宮城さんが、決して交わることのなかったスクールカースト上の下である仙台さんの放課後を1回5000円で買い取ることから、二人っきりの名前のない関係が始まるという物語。この形容しがたいぞわぞわした感覚はなんなんだ。「命令」という暇つぶしの延長線のような、たまに危なっかしいお遊びによって繋がる奇妙な関係が淡々と描かれていくのだが、これが快と不快の間を行ったり来たりしていて妙に落ち着かない。2023/02/20

冬野

21
独特な空気感を持つ不思議な作品。物語の起伏とか目立ったイベントはこれといってないんだけどなぜか読ませる。百合小説と言えばふわふわ甘いイメージ(個人の主観)だけどこの小説には糖度はほぼない。むしろ苦い。やや衝撃的なタイトルに反して物語は淡々と進む。五千円と引き換えに宮城が要求するいくつかの行為が、嫌悪感を抱かせるくらいリアルに描かれているのが印象的だった。宮城も仙台さんもどこか歪だし、二人の関係性も健全なものではないのに、切実さやピュアさをすごく感じるのはなぜだろう…。続刊も気になるので読みたい。星:4/52023/03/12

タイコンデロガ級

19
とても面白かったです。仙台も宮城も、この二人だけで居るときに少しタガが外れて、すこ~しだけおかしくなる様が良きですよね…。この二人で居るときだけ。タイトル通り5千円がホントにただの言い訳で特に重く扱われてないのも好き。 恐らく二人とも高校卒業した後も、10年後、20年後もなんだかんだでこうして会うんだろうなという確信が湧きます。2023/06/10

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