内容説明
夏休みが終われば、全て元通りになると思っていた。曖昧になったルールも、仙台さんとの距離も。なのに、彼女だけが未だに変で、「同じ大学受けたら?」なんて言いだす始末。そんなことを言われても、卒業後も一緒にいる理由はないし、彼女の将来に興味はない。そう、全く、少しも、私は興味ないのだ。
夏休みが終われば、進路の話になるのは自然なことだ。例えば宮城に、私と同じ大学への進学を提案してみたり。もちろん、宮城がそんな未来を考えていないことは知っている。それでももし、彼女が私と一緒の未来を少しでも考えてくれたら――そんなことを期待する私はやっぱりずるいのかもしれない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
33
夏休みが終われば、全て元通りになると思っていた二人の関係。けれどルールが曖昧になってお互いの距離感も変わってしまい、相手の考えていることが分からなくなってゆく第三弾。夏休みが終わって、何となく気になるお互いの進路。宮城は仙台に志望大学を問い、逆に同じ大学を受けたらと言い出す仙台。学校でもさりげなく接触の機会を伺う仙台の変化に戸惑いながらも、意識せずにはいられない宮城が微笑ましいですけど、肝心の仙台へのベクトルが相変わらず不器用なんですよね(苦笑)素直になれればだいぶ変わる気もするんですがなかなか難しい…。2023/12/20
椎名
16
いや~~……言語化できない、否、してしまえばたったの一文字か二文字にしかならないだろうが、だからこそ、言語化したくないその感情を、ここまで丁寧に描写されていると……もう……。あまりに良すぎる。大学への進学、それに伴う契約の終了。このままでいたい、けれどこのままではいられない、ではどう足掻くかとなったときに同じ大学でなくとも近しい大学を進学先に入れるというのは当然のことなのだが、それだけがどれだけ大きな決心であったことか。たまらないですね。2023/12/30
真白優樹
15
受験勉強本番、最後の文化祭の季節が来る中、ルールと境界がどんどん曖昧になっていく今巻。―――膨らむ心と壊れる境目、そこにある思いに名前なし。 どんどんと自分の思いに振り回され、境界もルールも少しずつほころび始める中、それでもそこに名前を付けることが出来なくて。曖昧模糊で歪な関係の中に秘められた想いがどんどん大きくなっていく中、独占欲らしきものも見えていく今巻。少しずつ終わりが迫って二人の時間の終焉も見えてくる中、そこに込められた想いに名前はつくのか。最後に選ばれる関係とは。 次巻も勿論楽しみである。2024/01/07
おこげ
13
今の関係を繋ぎとめるため交換したり贈ったり…言い訳しながら互いを欲するのが惹かれ合っている証拠。ああいうキスを慣れるまでしている間柄なのに距離の取り方を間違えがちな宮城と仙台はいっつも面倒くさイイな🐊そういう接吻描写が今度も挿絵付きでありが助かる~///💕🙏相手の領域へ踏み込むにつれてぼやけるルールはいつ崩壊してもおかしくないしそれを待ち望んでいるの💓嫌じゃない、は素直でない好きの言い回しかな?彼女のせいと嘯き自分を悪者にする心境や掴んで離せない手に通じる双方の想い。迫る期限に大きな変化を待とう。2023/12/23
leo18
12
確実に近づいているこの関係性が絶妙すぎる。仙台さんはすっかりグイグイ系になり、宮城は口調はきつくとも、9のツンと1のデレがたまらない。ラストのかわいさにやられた。2023/12/24