内容説明
「本来は、こういうはしゃぎ方はしない男なのではないか」お夏が敬愛する河瀬庄兵衛が何かと気にかける研ぎ師・喜右衛門。才はあるのに不遇を強いられる彼に、旗本の刀研ぎという破格の仕事が。意気揚々と仕事に取り掛かった喜右衛門だが、刀に付着した奇妙な錆に胸騒ぎを覚え......。鬱屈を見抜いた庄兵衛、どう動く?人情居酒屋シリーズ第六弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
159
もうね、安心して読み進められる春夏秋冬シリーズ第6 弾!派手な事件はない。それでもお夏たちの距離感が堪らなく心地良く、岡本さん巧しを感じる。冷え切った私の心も根深汁で温めたく、お昼にネギを沢山焼いて作って食しました(笑)2022/12/27
とし
77
居酒屋お夏 春夏秋冬「根深汁」6巻。根深汁=白ねぎ・油あげ・だし汁・味噌とシンプルですよね、事件も簡素で良かったです。2023/02/03
やま
65
笑いと、涙の中に、あでやかさが匂うお夏の動きがたまりません。江戸は目黒の永峯町にある、お夏の居酒屋に来る常連客たちと、妖艶で美しいく、お節介なお夏の楽しい物語です。青物夫婦、酌取り父娘、根深汁、おこげ、の短編4話です。青物夫婦、酌取り父娘といい話が続きます。根深汁は、苦い話です。おこげは、婿養子の苦悩が現れています。展開が早く、テンポよく、読みやすく、楽しいシリーズです。シリーズ6作目。2022.12発行。字の大きさは…中。2023.02.15読了。☆☆☆★★2023/02/15
真理そら
53
根深汁はおいしそうだけれど、よく考えたら質素な料理なんですよね。馬鹿馬鹿しくてくだらない騒動として紹介されている「おこげ」が好きだ。岡本先生はこういう夫婦の機微を描くのがうまい。2022/12/13
kagetrasama-aoi(葵・橘)
43
「居酒屋お夏 春夏秋冬」第六巻。無印の頃と違って倒すべき大物悪役がいないので、派手さには欠けますよね😃でも、その分市井の人々が情感をこめて描きだされている印象が強い今巻でした。第一話の “青物夫婦” と第四話の “おこげ” に登場するそれぞれの夫婦の話、好みです。タイトルにもなっている“根深汁” 時期を得たお料理です。今夜作ってお酒のあてにしようかな😊 2023/01/06