内容説明
未曾有の感染症が世界に広がり、記念館の閉館セレモニーは中止。百花もリモート環境で大学の卒論制作と就活が始まった。一成とも誰とも会えず不安な時を過ごす中、百花は改めて和紙の意義について考え……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
255
新型コロナ感染が流行し始めた頃を思い出す。緊急事態宣言、蔓延防止、三密、リモートワークなど、いろいろな聞き慣れない様々な言葉が飛び交い、様々なイベントも中止。学生にとって、思い出に残るようなことも奪われ辛いだろうなと思った。そんな中、できないなりに知恵を絞り、頑張る小冊子研究会のメンバーが逞しく思えた。百花も卒論など忙しい中、久しぶりに“できるかな”を彷彿させる工作シーンが、相変わらずいい。出番は少なかったが、一成も密かに動き出していて、格好良かった。とりあえず、百花、おめでとう。莉子もおめでとう。2023/02/19
寂しがり屋の狼さん
168
シリーズ6冊目📚感染症(コロナ)の世界的大流行で、記念館の閉館イベントは中止。百花もリモート環境下で卒論と就活に取り組むことに…(◕ᴗ◕✿)コロナ禍ってこんな感じだったよね…すでに過去の出来事のようですが、リモートなどは今では当たり前になり、世の中が大きく変わりましたね。2023/09/09
のぶ
130
物語も一つの区切りを迎えましたね。今回はコロナ禍での環境が大きく反映して記念館の閉館イベントは中止となる。卒業を間近に控えた百花は就職問題を抱えるが、藤崎産業への面接に臨み無事内定を勝ち取る事ができた。学園生活ではリモート環境下で卒論に取り組むことになった。突如姿を変えてしまった日常に、不安や理不尽さを感じながらも、百花や大学の仲間たちは現実に精一杯向き合っていこうとする。読んでいてリモートがいかに無味乾燥なものかを痛感させられた。ただ最後は感動で締めくくられていて、今後に希望を持たせるものだった。2022/12/10
シナモン
129
シリーズ6作目。コロナ禍での大学生活はほんとに大変そうだったけど、困難な環境のなかでみんなで知恵を出し合って良いものにしていこうとする姿に感動したし、励まされた。 百花も晴れて就職も決まり、新しい記念館がつくられることになって(しかも川越!)、また新たなステージの始まりの予感が。他のほしおさんの作品と絡みも出てくるかな。続きが楽しみです。2023/01/08
KAZOO
123
このシリーズの最新刊で、主にこのコロナ下での主人公たちの日常などが描かれています。大学4年になって卒論や就職活動がこのような状況下で行われているのかがわかります。主人公の卒論はほかの学生とかぶらないようにと思いつつ指導教授のご専門の小川未明の詩や童謡についてということでまとめられたようです。また卒業して藤崎産業に就職も決まり、新記念館の候補地が川越に決まります。ほかの「三日月堂」「月光荘」シリーズとコラボしていくのでしょうか?2022/12/07