内容説明
1954年から8年間にわたって共同研究という新たな方法で行われた「転向」を軸とした日本近代思想研究の金字塔。第1巻は、佐野・鍋山を中心とし戦前期前半を扱う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽん教授(非実在系)
1
現象としての転向を科学的に取り扱おうと試みた嚆矢。鶴見俊輔の文章は特に面白い。全般的に転向などして天皇や軍国主義に染まりやがって的な感情が結構見え隠れするのは時代的側面なりご愛敬であるが、藤田省三や高畠通敏などの分析は堅苦しい感じで読んでいて苦痛だった。書き手の感性やスタンスがかなり実は違うようである。2017/09/28
やまべ
1
読み終わるのに時間がかかったが、実に面白かった。読んでいて常に持っていたのは、「いつか自分も歩むかもしれない道」という問題意識。いや~、拷問とか示唆されただけでも転向してしまいそうな臆病者なので…。それにしても、日本の近代史において最大の転向者は、共産主義者→ファシストの面々ではなくて、昭和天皇(神→人)なのだなぁ。さて、続巻に進むかな。2012/06/19
tkm66
0
原本は所持。再読。2012/02/28