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内容説明
命は決して平等ではない。獣医学は元々、人類の健康と食を守るための学問だから、動物を救うことが真理ではない。冷静な頭と温かい心で日々、生き物たちと向き合う獣医師が伝える命とは、病気とは、生きるとは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
manamuse
26
読んでよかった。今まで何となく気になってたことに答えが出た。特にペットの安楽死や看取りについては、同じように考えていることが嬉しく、最期の姿がつらかったのも、そういうことだったのかと思えて、本当は今でも納得できずにいたんだな…と自覚した。分からないことは分からないと言う。こんな獣医師のいる動物病院に通いたい。と思ったら田園調布って!笑2023/01/01
にゃん
16
獣医学部に関心があって読みましたが、獣医学部で学ぶ範囲の多さ(例えば動物の種類が違えば内蔵の形態も全然違う、その違いを全部覚えなくてはいけないなど)、飼い主のいる動物を診る難しさ、動物を知るためには実験もいたしかたない、など、大変さが幸福度を上回ってました。獣医目指す方には覚悟が必要だし、実際現場におられる方には尊敬の念を覚えます。もう少し田向さんがこの仕事についてどんな充実を感じているか聞きたいような…犬を飼う立場からも反省する点が多々ありました。良い本です。2020/02/04
つぶあん派
9
様々なエキゾチックアニマルを飼っている身としては、かなり勉強にもなった本でした。治る治らないよりも動物の苦しみを軽減させてあげること、痛みをのぞくこと、とにかく動物視点で治療しているのだという獣医さんの言葉にはっとした。獣医さんとうまいこと話しができず、いい加減に治療して帰されたのではと疑って申し訳なかった。獣医さんは勉強してやり方を学ぶというよりも、現場で知っていくことが多く、生き物に関しては分かってないことのほうが多いうえに現代は様々な生き物がペットとして飼われている。簡単にいく話ではない。2016/07/27
ハパナ
7
医学といえば生きる事をサポートするというイメージでしたが、獣医学においては成り立ち自体が家畜動物の食用や利用をスムーズにするためという所に驚きました。”命は決して平等ではない。”とパンチのある副題ですが内容は終始柔らかく、獣医師である著者の生き物への愛情が伝わってきました。生活の中で動物と関わりのある人は、読んで損のないオススメの一冊です。(序:僕が獣医師になったわけ/1:生き物の体の不思議/2:病気って何だろう?/3:獣医師になってわかったこと/4:命と向き合う)2016/05/27
yamakujira
7
東京で動物病院を営む獣医さんが書いた本。「生き物の体のふしぎ」「病気って何だろう」「獣医師になってわかったこと」「命と向き合う」の4章で、前半は動物と病気についてのお勉強、後半は獣医の仕事と体験記。田園調布という立地に加えて、犬猫から亀や蛇まで診察するってすごいね。珍獣の診察は言い値だろうから儲かるんだろうな、なんて下世話な邪推をしちゃうけれど、著者の動物愛はホンモノだろう。さまざまな動物がペットとして流通する日本は、平和だと思う反面、どこか病んでるとも感じるな。 (★★★☆☆)2016/03/01