内容説明
この葬儀場では、奇蹟が起きる。
夫の五年にわたる闘病生活を支え、死別から二年の歳月をかけて書き上げた「3+1回泣ける」お葬式小説。
大学生の清水美空は、東京スカイツリーの近くにある葬儀場「坂東会館」でアルバイトをしている。坂東会館には、僧侶の里見と組んで、訳ありの葬儀ばかり担当する漆原という男性スタッフがいた。漆原は、美空に里見と同様の“ある能力”があることに目を付け、自分の担当する葬儀を手伝うよう命じる。漆原は美空をはじめとするスタッフには毒舌だが、亡くなった人と、遺族の思いを繋ごうと心を尽くす葬祭ディレクターだった。
「決して希望のない仕事ではないのです。大切なご家族を失くし、大変な状況に置かれたご遺族が、初めに接するのが我々です。一緒になってそのお気持ちを受け止め、区切りとなる儀式を行って、一歩先へと進むお手伝いをする、やりがいのある仕事でもあるのです」--本文より
※この作品は単行本版『ほどなく、お別れです』として配信されていた作品の文庫本版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
255
『結局はね、生きている人の心の中の問題なのですよ。どう死を認めるか。どう諦めるか。ご遺族の気持ちに区切りがつくことで、たいていは死者も納得するものです』。『東京スカイツリーのすぐ近く』の葬儀社で働く美空。そんな美空には『あまり口外することではないが私にはちょっとした能力がある。”気”に敏感なのだ』という力の存在が隠されていました。葬儀社の”お仕事小説”の側面も垣間見せるこの作品。ほんのり漂うファンタジーの香りに心地よく涙できるこの作品。「ほどなく、お別れです」という言葉に思いを馳せる素晴らしい作品でした。2024/04/21
Karl Heintz Schneider
141
なぜもっと早く読まなかったんだろう。この本のことはずっと前から知っていたのに。感動の物語に涙が止まらなかった。大学生の美空が知人の紹介で何も考えずに始めたバイトは葬儀場・坂東会館。第二話では5歳で命を落とした女の子の魂と出逢う。母親と離れたくないと泣く女の子を導いたのは。その結末を読み、涙、涙、涙。「大切なご家族を失くし、大変な状況に置かれたご遺族が初めに接するのが我々です。」大切な人を亡くし悲しみばかりが先に立って他のことは何も考えられなくなる遺族に代わって円滑に葬儀を進行してくれる葬儀社の方々に感謝。2022/09/23
mana
131
霊感がある美空は、葬儀社で働いている。特殊な葬儀を任されることになり、ご遺体に向き合うことになる。葬儀は死者のためでもあるが、残された家族のためでもある。やさしい気持ちで見送れるように奔走する。上司である漆原と、僧侶の里見とのやりとりは軽快で、全体が重たくなりすぎることがなく読める。葬儀は、暗く悲壮なだけではない。誰もがいつか来るその日まで精一杯生きて、最期にはあたたかく愛情たっぷりで見送られるというのは本当に幸せなこと。みんなが前を向いて生きていけますように。2025/09/10
のり
110
大学生の「美空」は、就職活動に大苦戦していた。そんな中、しばらく休んでいたバイト先の葬祭会館から手伝いの要請が。気分転換の意味もあり、そこで訳あり担当の「漆原」僧侶の「里見」と出会う。美空が持つ特殊能力?特異体質を見抜いた里見。彼もまたその能力の持ち主だった。漆原も仕事に対して完璧主義。二人に惹かれて就職先に決める。様々な案件を経験して成長していく。歳を重ねたからいいと言う訳ではないが、若くして亡くなる話はやっぱり辛い。続編も楽しみ。2025/10/28
いこ
99
主人公美空は、葬儀場「坂東会館」でバイトをしている大学生。美空は、他人の感情を人より敏感に感じ取ったり、その場に残された思念を感じる能力を持つ。美空の上司は、自殺や事故といった「訳あり」の葬儀ばかりを担当している漆原。この漆原と美空が組むことで、想いを遺して逝った故人の想いを汲み、遺族へ伝えてゆく。全四話各話にちょっとした謎解きの要素があること、また美空以上の能力を持つ僧侶の里見も魅力的。人は誰しも、身近な人を見送らなければならない。そんな時、悲しみの中にいる皆にこの坂東会館があったら、と願ってやまない。2022/09/23
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