内容説明
モンゴル国の鎮海城をあずかるダイルは、三千の守備兵を組織し、三つの砦に配置した。領土は拡がり、チンギス率いる十万の遠征軍は鎮海城とは逆の方角(東)に出撃している。チンギスが滅ぼしたナイマン王国の元王子グチュルクは逃亡し、モンゴル国の西に位置する西遼の帝位を簒奪していた。西遼が数万の兵を動員できると考えるダイルは、その懸念を雷光隊を率いるムカリに話す。一方、モンゴル国の侵攻を受けている金国では、完顔遠理が精強な五万の騎馬隊を整えた。また、先の戦いでモンゴル軍の兵站のいくつかを切ることに成功した耶律楚材が、政事の立て直しに力を注ぐ。南の潮州で暮らすタルグダイとラシャーンは、かつての部下ソルガフの遺児トーリオを息子として扱い、自分たちの商いについて学ばせようとしていた。治めるべき領土は急激に大きくなり、守るべき国境線も広がっている。チンギスはボオルチュと、戦の状況や物流など、国のありようについて話す。強き者たちに異変が生じる十二巻。
目次
草こそ遠く
風を見る
袂別にあらず
天の隅
聖なる山
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
209
【チンギス紀完読プロジェクト】 https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11287876?sort=book_count&order=desc 今回は、最新刊第十二弾、『不羈』です。本巻は、領土拡大&国の在り方を問うの巻でした。続いて3月発売の十三巻へ。まだまだ続きそうです。 https://www.shueisha.co.jp/kitakata/chingisuki/2022/01/12
パトラッシュ
123
チンギスと彼の部下たちが老いて戦いの第一線を退き、その子や孫たちが活躍するようになる姿を描く。若く恐れを知らぬ彼らは動乱期だからこそ奔放に動き、モンゴル国建設のために働く。ついに耶律楚材もチンギスの麾下に加わり、領土が広がっただけの空白地帯に中華流の統治を持ち込もうと奮闘する。一方でチンギスの敵たちもタルグダイやトクトアが世を去ったあと後継者が成長し、やがて来るモンゴルとの戦いに備え実力を蓄えていく。ここで出てきた両陣営の若者が、次巻以降の中心となる。果てしない大陸の果てしない戦いは世代交代しながら続く。2022/01/13
まえぞう
52
金との一戦に勝利するも、広がった国土を持ったがゆえにチンギス自身の動きが目立たなくなった感じがする巻でした。ホラズムの使者の受け入れもあり、西征がそこまできています。チンギスとの邂逅を期待していたタルグタイとトクトアは残念でした。2021/11/28
baba
30
チンギスと共に戦った勇者が鬼籍に入ることが多くなり、トクトアも亡くなり、森はアイガンに引き継がれる。チンギスの子や孫だけでなくタルグダイの養子トーリオ、ジャムカの子マルガーシなど台頭が嬉しい。地図も広大になり、登場人物の多彩さにページを振り返りつつ忙しい。2025/04/27
てん
26
なんかもうチンギスは老害でしかないんじゃないかな。10巻以降、モンゴルの戦う意義について注目していた。『戦をやめることはできなかった。生きることをやめるのと、同じだった』なんてのは、もう趣味で他国を侵略しているとしか思えない。(現代もたいして変わらないが・・)自分は金攻略に全兵力をつぎ込み、西の兵力不足を無視し、さらには兵の招集まで許さない。そりゃダイルだって死んじゃうよ。初期の盟主タルグタイ・トクトアの退場。なんだかんだ言って、この2人の人生は幸せだったと思う。新世代の台頭が著しい。活躍が楽しみ。2022/03/07
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