内容説明
「ちょいと薄気味悪い話でござんして。あれは雪女郎かもしれねえって」
――時は文政。
推当物が人気の女戯作者・鉢野金魚と貧乏戯作者・本能寺無念は、
吹雪の日に姿を消した薬楽堂短右衛門の娘・けいの足取りを追い、
六部の装束を纏った童女が誘う空き家に踏み込むが、そこに居たのは……。
江戸の本屋を舞台に戯作者=作家が謎を解く!
人情と不可思議、嘘と真実、ためらいを秘めた想いの行方ーー
読み心地満点の大人気時代小説シリーズ、ついに完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
87
シリーズ第6弾。お伊勢参りに出かけた金魚(きんとと)と無念がいい感じになったと思ってたら、何と無念は肘鉄をくらわされてむざむざ途中で帰ってきた。どうしようもないね、この男。でも、元お女郎さんの金魚が商売以外で初めて恋をしたんだ。仕方ないか。って、ことで今回も金魚の推理が冴える。生ける屍、丑の刻参り、〆は雪女現る。人が成す事に不思議はないけど、霊が成す事なら不思議だらけ。この世とあの世が最も近くなる丑三つ時。やっぱ面白いわ~、金魚の推理。晴れて夫婦のかかあ天下とシャイな旦那の二人連れ。これにてめでたく完結!2022/01/16
kei302
61
「関八州で強請の元締めをしている稲妻お仙」で笑い、 おけいちゃん拐かされ事件ではドキドキ怖がり、1月2日の祝言で締めくくり。大好きなシリーズの1つ、終わってしまいました。いい感じの終わり方で大満足。最後まで金魚(きんとと)らしかったよう。ご病気後のため、筆が進まないとのことですが、平谷先生、御掃除之者シリーズの方も何卒宜しくなのです。KADOKAWA、力 入れて売っていこう!2022/01/12
真理そら
58
金魚と無念が伊勢参りに行って終わりかと思ったけれど、今作で完結。女郎上がりの自分より無念にはもっとふさわしい女の人がいるかもしれないと金魚姐さんはためらっているけど、そんな女の人に出会うほど無念はカッコいい男じゃないからと思ってしまった読者である。雪女郎と六部の組み合わせは怖いよねえ。最後は無念が亭主らしさを見せたところで大団円。2022/01/08
アルピニア
52
シリーズ最終巻。今回も、歩き回る死者、蔵書に未練を残す幽霊の謎を金魚が見事に解き明かし、「呪いの行方」では、女の復讐に一肌脱ぐ。興味深かったのは、鉄砲(ふぐ)や埋葬方法に関するトリビア。そして最終話「凍月の眠り」では、ついに本物の怪異に遭遇か?!結末はこうつけましたか・・平谷さん上手いなぁ。金魚の心情の変化がじわりと心に沁みる。おけいちゃん、恐るべし。行く末が楽しみだ。金魚と無念もやっと落ち着いて、ほのぼのと読了。2022/06/17
ポチ
50
落ち着くところに落ち着いた金魚と無念。お幸せに。怪異に似た不思議を解く推理も楽しく読んだ作品でした。最後のは本物ですよね。2022/06/26
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