内容説明
「見えないかい? 月明かりの中の妖しく美しい狐の舞が……」
時は文政。ある雨の日、江戸の本屋・草紙屋薬楽堂に持ち込まれたありふれた人情噺の裏には、禍々しくも哀れな狐憑きの噂が――。
推当物を得意とする女戯作者・鉢野金魚と貧乏戯作者・本能寺無念、武家の女・只野真葛、高名な父を持つ女絵師・葛飾応為ことお栄は、切ない出口なしの物語を「一番の結び」に導く大芝居を計画するが……。
江戸の本屋を舞台に戯作者=作家が謎を解く!
謎と人情、嘘と本心、運命に抗う決意と逡巡――
読み心地満点、ますます快調の大人気シリーズ、待望の第四弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
51
シリーズ第4弾。今回は戯作者金魚(きんとと)の元に女絵師、葛飾北斎の娘お栄が登場して何だか華やか。金魚を師と仰ぎ末は戯作者を夢見る8歳のこましゃくれた娘おけいの河童騒動が子供心のいじらしさを見せてくれたと思いきや、商家の娘の恋愛を親が反対、座敷牢に閉じ込められた娘は狐憑きに。持ち込まれる諸問題を推理と度胸と仲間たちの助けで解決していく金魚。無念との仲がつかず離れずでやきもきさせるが、これはこれでいいのか。真葛さんの江戸へのまたのお越しをお待ちしております。2018/11/06
ポチ
47
おけいちゃんに葛飾応為、真葛婆ぁの妹、の登場で影が薄くなった男性陣。始末の結末がいいですね(^^)2022/06/18
ぽろん
43
シリーズ4作目。金魚と無念の仲の良さが実に自然で心地よい。なんと8歳のおけいちゃんパワーには笑ってしまった。そして、今回只野真葛が実在の人物という事に初めて気づいて、びっくり。(気づくのが遅いよ、私)女性大活躍です。次巻も楽しみ!2019/10/27
はにこ
31
金魚に真葛にけいちゃん、年齢がバラバラな3人組が可愛いね。そこにお栄さんまで加入してさらにパワーアップ!色々あった新人賞を通して戯作者の葛藤みたいなものが伝わってきた。きっと今の小説家もあるのだろうなぁ。面白い物語を世の中に送り出してくれている小説家に感謝。2021/12/05
えみちゃん
27
お気に入りの「薬楽堂シリーズ」もいつのまにか第4弾♪前作から続く【素人戯作試合】は続き、無念と大旦那は下読みに追われてます。そんな最中、あいかわらず薬楽堂には「河童」に「狐憑き」などなど騒動が絶えません。(笑)そのひとつひとつに首を突っ込もうとする金魚(きんとと)姐さん(←失礼・・笑)に同行したい無念さんでしたが下読み作業と戯作執筆に追われ出番はちょっと少な目かな?(笑)その代わりというワケではないけど、真葛婆ぁ(←失礼・・笑)におけいちゃん(←8歳!?・・笑)が大活躍。さらに彼女たちに負けず劣らず2018/10/27