小学館文庫キャラブン！ 蟲愛づる姫君 王子は暁に旅立つ

著者名：宮野美嘉【著】/碧風羽【イラスト】

小学館（2021/12発売）

• ISBN：9784094071009

内容説明

蟲愛づる姫君の旦那様、突如……若返る！？

毒蟲たちを溺愛する変わり者の妻をこよなく愛する、魁国の国王・楊鍠牙。根っからの不幸体質のため、大抵の理不尽には耐性のある鍠牙だが、そんな彼は、ある朝目覚めると、十代の少年の姿になっていた。ひと晩で十五歳の若返り、十八歳の姿となった鍠牙は、記憶まで逆行してしまったため、玲琳を見ても自分の妻だとは認識できない。どうやら何者かに蠱術をかけられ、時を奪われてしまったようなのだが……。
「十八歳の頃、鍠牙様はグレておられました」
　側近の証言どおり、自らの黒歴史ど真ん中の時代に戻ってしまった国王陛下は、人生二度目の反抗期に突入。一方、玲琳はといえば、自分に解蠱できない術はないと言い切り、最強の蠱師のプライドにかけて、夫への呪いを解こうと奔走する。そして……まずは原因を探ろうと調査するうちに、鍠牙にとって十八という年齢は、彼がもっとも尊敬する学問の師・譲玄が亡くなった、まさにその歳であると判明するのだった。果たして玲林は、鍠牙にかけられた術を解くことができるのか？　急転直下の《むしめづ》シリーズ最新刊！

（底本　2021年12月発行作品）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[hirune]

普通でもとっても面倒くさい王様の鍠牙なのに、今回は何者かに呪われた結果、グレてて反抗期真っ只中の17歳に若返らされてしまった。しかも妻子を含め17歳以降の記憶がない〜😓面倒くささ30倍くらいでしょうか？なんだかんだで夕蓮のモンスター要素が具体的に示されました…彼女の周りに及ぼす効果は麻薬って言っても良い凄まじさ！死を呼ぶ聖女ってとこでしょうか〜怖いなぁ。まだこの騒動の黒幕の正体が不明だし、玲琳もまだ7歳くらいに若返ったままだし、次巻も大波乱の予感が濃厚ですね☆

2022/06/25

[るぴん]

シリーズ10作目。何者かにかけられた蠱術で17歳に若返ってしまった鍠牙。17歳までの記憶しかないため、玲琳と結婚したことも子ども達の存在も受け入れられない。一番荒れていた時期だと言われている通り、反抗期真っ只中の鍠牙がかなり面倒臭い。今まで玲琳達を殺そうとしてきた敵よりも面倒臭いかも。それにしても過去の事件の真相にはぞっとした。想像すると本当に恐い…。最近すっかり安心していたけれど、夕蓮は化け物だったな…。

2021/12/15

[よっち]

ある朝目覚めると突然十五歳も若返っていて、十八歳の姿となってしまった鍠牙。どうやら何者かに蠱術をかけられて時を奪われてしまい、記憶まで逆行したことで玲琳を見ても自分の妻だとは認識できなくなってしまう新章第三弾。黒歴史ど真ん中の時代だった当時の鍠牙。蠱師のプライドにかけて、夫への呪いを解こうと奔走する玲琳が知る鍠牙の苦い過去。前回からの因縁も絡めながら、十五年前の事件と夕蓮がいかにヤバいのかが明らかになって、いやこれは化け物扱いも仕方ないですね。分からずじまいだった黒幕の正体とその目的が気になるところです。

2022/01/11

[dorimusi]

骸の蠱術で鍠牙が10代の荒れていた頃に若返り。骸って蟲師だっけ？と思ったらやっぱ違うんだね。そのあたりの伏線は次回に続くらしい。てか玲琳元に戻ってないし。 今回は久しぶりの夕連登場。夕連の化けもの感が今までよりわかりやすい感じで示される話だった。鍠牙と夕連の関係って8年前からそんな感じだっけ？とオチのところで思ったけど。。 だけど、やっぱ夕連のキャラはイマイチ好きになれない。双子もだけど。。。ところで煌牙の父と師匠はなんで夕連の影響受けないの？それも伏線なのか・・触れられてないだけなのか？？

2022/07/29

[鳩羽]

何者かの蟲術によって、十七歳に時を戻された鍠牙は、玲琳や双子の子供たちも認識できず、人生で一番ぐれていた振る舞いそのままに、宮殿から飛び出してしまう。鍠牙を探し出した玲琳は、その側に蟲師の奴隷として育てられた剣士・骸がいるのを知り…。久しぶりに、王太后夕蓮の化け物エピソードや、鍠牙と両親の間にあった出来事が繙かれる。玲琳が最悪で最強と描写されるほど、活躍しているシーンをあまり見てない気がするが、シリアス回なので面白く一気に読めた。特殊な設定だけど、物語の中心は人と人との様々な関係にあるんだろうなと思う。

2024/12/11