内容説明
毒蟲大好きな玲琳王妃に新たな災難が……?
まだ十五歳の李玲琳が、新興国である魁の若き王・楊鍠牙のもとに嫁いでいくらかの月日が過ぎた。相変わらずの高飛車かつ思考回路が理解不能な変わり者、そして周囲がドン引くほど蟲好きの蠱師(百の毒蟲を殺し合わせ、最後に残った猛毒の「蠱」を操る術師)として、夫の意向などものともせずに飄々と新婚生活を送っている玲琳だったが……。そんなある日、魁の王宮に激震が走る。国王の鍠牙が玲琳以外に側室をもつというのだ。というのも、宮廷内の実力者である姜大臣が「蠱師の力は母から子へと遺伝する」という噂を聞きつけ、玲琳から世継ぎの王子や姫が生まれることを危ぶんだためだった。
変わり者の最強王妃と、その才覚と美貌に反して案外苦労性の国王の、新婚生活の明日はどっちだ!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっか
79
新刊、シリーズ第2弾。いやー前作を上回る面白さ。全てがこうも綺麗ーに1本に繋がるとは。読みやすいから一気読みだし本当に綺麗に騙されたし、完成度が高い印象。恋愛要素きちんとアリなのに一般的な後宮モノと違って、色々物凄く歪んでいるのにこれが1番良い形なんじゃないかという関係性が切なくもどかしいのに、やっぱり良い。あと、凄い!これは力量だな…!と思わせられたのが、説明説明していないのに読んでいく内に忘れている1巻の内容を思い出させてくれること。これはあと10巻くらい読みたい。笑 葉佳のキャラが好きすぎる〜。2019/11/09
さくらさくら
54
『蟲愛づる姫君』シリーズ第2巻。斎帝国の皇女にして魁国の王妃・李玲琳は蟲師である。登場人物が皆病んでいて強烈なのだが、憎めないし哀しい人達だ。今後が楽しみ。2020/12/07
hirune
47
王 王妃 王の母 側室 ついでに王妃の侍女も…拗らせた性格異常者ばっかり😅諸悪の根源で王の母の夕蓮は本人もサイコパスだけど 関わる人間を悉く彼女を愛する余り狂わせちゃうので、誰も彼女を殺せないという恐ろしい女性。しかも麗しい見た目がいつまでも若いまま…もしかして何百年も生きる魔女かもよ?悠長に幽閉とかしてて大丈夫なのかな😱玲琳は鍠牙の扱い方を徐々に会得してるけど、病んでるなぁ…基本まだ患者扱いなのねぇ。2020/04/28
るぴん
44
図書館本。反玲琳派の大臣が、娘を側室として後宮入りさせる2作目。王、王妃、王母ときて、次の歪みキャラは側室・里里。彼女は彼女で、周囲のアクの強い変人達とは違った歪み方。里里に対しても鍠牙や夕蓮に対しても、歪んだ思考の持ち主の毒を理解し、上手く付き合える玲琳を尊敬する。鍠牙とはお互いがお互いの扱い方をよくわかってきたようだけど、自罰の極致かぁ…。究極のM…いや不幸体質なのね(´Д` )人間以外でも魅了する、サイコパスな王母・夕蓮の魔性ぶりに慄く。2020/06/15
ゆなほし
40
シリーズ2作目。蠱師であり帝国の皇女である玲琳が若き王鍠牙のもとに嫁いでいくらかの月日が過ぎたが、反王妃派の大臣が鍠牙に側室を持つよう迫り…。相変わらず蠱師という強烈な個性を放つ玲琳のぶっ飛んだ奇行が面白く、「中華風ファンタジー史上最高に変な夫婦生活」とあるように、お互いを想うその様が唯一無二の関係として描かれている。今巻も「蠱毒」を用いた事件が起こるが、その不可思議な症状はもはや魔法の域。王妃であるより、蠱師であろうとする玲琳の芯の通った強さは、とても好み。鍠牙との関係の進展も期待したい。2020/07/04