内容説明
名探偵の私・シエスタと助手・君塚君彦の出会いは、地上一万メートルの上空、ハイジャックされた飛行機――ではない。
「あなたには、日本へ行ってもらいたいのです」
本当の始まりは四年前、《連邦政府》から受けたあるスパイの捜索依頼。
日本に飛んだ私が加瀬風靡の協力を得て彼の関係者との接触を図ると――
「ちょうどいい、お前も覚えておけ。その腹立たしいクソガキの名前は――」
ねぇ、助手。どうして私が君を旅に誘ったのか、不思議に思ったことはない?
今から語られるのは、三年にわたる目も眩むような冒険劇を繰り広げた君ですら知らない、私だけの秘密。
あの遙かな空の出会いに至るまでの、真の始まりを描く前日譚。
【電子限定!書き下ろし特典つき】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
41
【BW】高度一万メートル上空で始めて出会った君塚とシエスタ。実はすでに別の形で出会い、一緒に謎を追いかけていた…。二人の真の出会いを描いた前日譚でした。シエスタや君塚の考え方や行動原理のオリジンが分かって、本編の理解がさらに深まりました。やっぱりこの二人の関係は良いですね。二人がもう一度出会い、笑いながら丁々発止のやり取りをする姿を早く見たいものです。本編の続きが楽しみ。そして新しい髪型の夏凪が可愛いくて良き。2021/12/03
よっち
37
名探偵・シエスタと助手・君塚君彦の本当の始まり。四年前、連邦政府から受けたあるスパイの捜索依頼で日本に飛んだシエスタが、加瀬風靡の協力を得て関係者との接触を図るシリーズ前日譚。実は地上一万メートルの上空、ハイジャックされた飛行機の前にあったシエスタと君塚の密かな邂逅。明らかになってゆくそれぞれの過去と、期せずして交錯する二人のらしさが詰まったエピソードでしたけど、今回のキーマンだったダニーの印象的な言葉がなかなか効いてましたね。これを読んだ後だと物語冒頭にあったエピソードの意味もまた違って見えてきました。2021/12/21
オセロ
28
約4年前の君塚とシエスタの密かな出会い、そして君塚の師匠を名乗る謎の男・ダニーの物語。 今回は今まで出てきてなかった調律者を絡めながら、ダニーを狙う謎の組織との戦いを通じて明らかになるダニーの意外過ぎる正体と、ダニーが守っていたものの正体は驚きましたね。 今巻の物語が今後の展開にどう影響するのか楽しみです。2021/11/28
如水
24
5巻を1部としたら本巻は間話になるかと(閑話では無かった👍)。スジは実はシエスタと君塚はハイジャックされた飛行機が出会いでは無い…と言う話。それでも話はしっかりしてましたよ。シブいおっさんも出て来ますが、やはり【シンギュラリティ・ポイント】が重要だったんだと…こう考えれば今迄の出来事って何処迄が予測済みで何処からが特異点だったのか?を考察したくなるじゃ無いか~。が感想。『月華さんだからね』…うむ、言われてみたい💦これで心置きなく7巻を読める。2022/09/15
おにおん
20
君塚とシエスタの本当の出会いを描いた第6巻。『名探偵』の遺志が引き継がれてきていることが描かれていて、効果的に本編を補足していました。今巻を読んだ後だと、君塚の「理不尽だ」という口癖が尊いものに見えてきますね。今巻を読んだことで、次巻からの本編の内容をより楽しめそうです!2022/01/02