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内容説明
フランスの王位継承をめぐるイギリスとの百年戦争のただなか。「フランスへ行け。王を助けよ」との啓示をうけたジャネットことジャンヌ・ダルクは王太子シャルルに対面し兵を得る。神の声を聞く娘、ついにオルレアンへ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
澤水月
53
表紙の通り怒濤の快進撃、痛快そのもの…しかしジャンヌ17歳、人生の絶頂という地の文の恐ろしさ。フランスからは白く輝く聖女、しかしイギリスからは魔女そのもの…結末は誰もが知るものだけにこの後が恐ろしくてたまらない。神の声は本当に「善き」声なのだろうか…ジャンヌにとって。2018/01/04
neimu
50
史実に基づくものの絵に美しさはなく、ストーリーありきが辛い。ファンは慣れているが、この絵柄では、歴史的な知識や興味関心がなければしんどい。恐れ崇められ、魔女と罵られ、様々な場面で超人的な力を発揮するジャンヌ。畏怖は懐疑と表裏、勝利と敗北、神聖と卑属、忠節と裏切りは切り離せない。欲得と思惑に、ジャンヌの純粋な気持ちが絡み合い、空回りし、悲劇へと向かう、このあと、ランスの戴冠式の場面になるのだろうが、利用価値のなくなった、聖女としての存在が、どのように貶められていくのか。読みたいが読みたくないような気持ち。2017/12/23
アーちゃん
39
年に一度のお楽しみのようになってきた山岸凉子さんのジャンヌ・ダルク。多少価格が上がっても良いので、カラーページはカラーのまま読みたかったです。戦うジャンヌの決めコマは、正に厩戸王子欧米女性版と言って良いほどの迫力で、読了後も頭がぼーっとなってしまうほど。ラ・ピュセル(ジャンヌ)の次巻の活躍がが今から楽しみです。来年ですが。2017/12/22
きんぎょっち
32
ジャンヌ・ダルクをキリスト教圏の人間が映画などの作品にするのは、宗教と国が絡んでいるため非常に難しい。それを異教の日本人が作品にすると、どうなるのか。宗教的には浅い描き方になって「奇跡の少女」部分ばかりクローズアップするんだろうなぁ、とぬるく考えていましたが、作品化したのは天下の山岸涼子氏。そんなオタクや素人っぽい作品にはならないのでした。あの絵で戦闘シーンはどうなるのか…と案じてもいましたが、変わらぬ「いつもの山岸涼子流」戦闘シーンを貫いてくれました。大変おみそれ致しました…。2018/02/28
ぐうぐう
29
ジャンヌは神の言葉に従って行動する。そもそも神の啓示は、神に選ばれし聞く者が信じなければ意味がない。そして、聞く者が信じたとしても、聞く者に従う人々がいないと何も変わらないのだ。この、信じるという連鎖は、啓示が本物であるかどうかも重要だが、啓示を受けた者のカリスマ性にも大きく左右される。オルレアンを解放したのは、たった17歳の少女。このギャップによるカリスマは、信じる者達を熱狂させるには充分だ。と同時に、信じぬ者には、恐れを抱かせるにも充分なのだ。2017/12/31