内容説明
居酒屋「ぜんや」の女将・お妙は、亡き夫・善助の過去について新たな疑念にとらわれ、眠れない夜が続いていた。そんななか、店の常連客である菱屋のご隠居の炉開きで、懐石料理を頼まれる。幼い頃に茶の湯を習っていたお妙は、苦い思い出を蘇らせながらも、客をおもてなししたいというご隠居の想いを汲んで料理に腕をふるう。湯葉の擂りながし、かますの昆布締め、牡蠣の松前焼き……つらい時こそ、美味しいものを食べて笑って。「ぜんや」がつなぐ優しい絆に心あたたまる、傑作人情小説第六巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
258
シリーズ第6弾!今作は、もちろん美味しい料理がでてきましたが、いつもと様子が違う展開ですね。善助の事が終わり、解決したところでまさか完結……と思いました。が、いやいやまだまだ只次郞とお妙の行方があるではないか。さらには只次郞のこの先、ルリオの後継が現れるのか、料理だけではなく、物語の展開も気になりますね。次作が待ち遠しいです。けんちん汁、寒い季節はもちろん、暑い季節に熱いもの、と、季節を問わず食べれるのが汁物の良さですね。けんちん汁が食べたいなあ。2019/04/16
いつでも母さん
170
さぁ、シリーズ第6弾!お妙の夫を殺したヤツ。重蔵との経緯。そこでいつもの面々が動く。あぁ、お妙は周りに恵まれているなぁ。そして只次郎が好い人過ぎる。次男坊なのにこんなに家の事や姪の事も考えて…お妙の料理を美味しそうに食す只次郎の想いが報われますようにと願うばかりだ。2021/05/03
Aya Murakami
139
読メユーザーさんおすすめで通院途中の本屋で購入した本 冷凍コンニャクでお汁…。実際に汁のおいしさがしみこむのか気になるので冷凍したものとしていないもので作って食べ比べをしたいです。火の通りにくいものがら調理していくという調理過程の描写も細かくてリアリティあふれています(我が家の家庭料理も同じような調理法)2020/10/25
Nao Funasoko
121
シリーズ第6弾。今回登場した料理の中では牡蠣の松前焼きと蓮根蒸しを食してみたい。只次郎の身辺も動きあり、また謎もひとつ片付いて第一幕終了といったところか。第二幕も楽しみ。同じく続編を楽しみにしてた母にまわす。 :-)2019/02/21
はにこ
118
お妙の問題が解決に。近江屋、重蔵の関わりも明らかに。お妙の裁きは甘ちょろい気がするが。。私だったら二度と顔を見たくないし、そんな奴忘れたいけどねぇ。只次郎は、家での心のよりどころ、お栄と深く関わることを止められて、家では厄介者扱い、ルリオの後継の目処も立たない。不憫だわぁ。幸せな道が見つかると良いなあ。2020/11/09