内容説明
王朝文学は『枕草子』や日本文学の最高傑作『源氏物語』を生み出す。一方、説話文学の最高峰『今昔物語』には、貴族と庶民両方の日常世界がひろがる。
清少納言と『枕草子』/物語の始まり/源氏物語/『源氏物語』以後の王朝物語/歴史を映す鏡/説話文学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
14
「清少納言と『枕草子』」、「物語の始まり」、「源氏物語」、「『源氏物語』以後の王朝物語」、「歴史を映す鏡」、「説話文学」。「狭衣物語」に惹かれた。心情描写がリアルで、非常に興味深く、紹介されている未読の作品の中では最も読んでみたいと思うものであった。2013/06/16
読書三餘
2
紫式部の『源氏物語』。知らざる日本人あらじ。しかし、没後、彼女は虚偽を書いたとして巷に堕獄説浮上。『今鏡』の菖蒲により展開される擁護は、今日の小説の意義にも通じよう。さてもこの〈虚偽〉は、悪意を取り去れば虚構(フィクション)となりえるが、それがなぜ悪意のあるまま否定的に扱われたのか。想像をも働かせれば、もはや貴人たちの宝物とされた最高傑作を前に、『狭衣物語』『夜の寝覚』では、制作地盤を固められなかった国内事情にあると私は考える。『竹取物語』を〈物語の出で来はじめの祖〉と『源氏物語』は銘記した。2025/06/07
もだんたいむす
2
源氏物語の後と前。2017/05/12
fantamys
1
源氏物語を頂きに平安文学を俯瞰する。2022/10/12