内容説明
【全世界1億2千万部以上! カーネギー賞受賞シリーズ第2弾】
児童文学の金字塔! 新訳&挿絵付
装画・挿絵:ソノムラ
※本書は、既刊の角川つばさ文庫版の表記や表現を大人向けに【【大幅に】】加筆修正し、全ての漢字にふられていたルビをへらしたものです。
●あらすじ
夏休みが終わり、ルーシーたち4人兄妹は寄宿学校へ帰るため、駅で列車を待っていた。すると、不思議な力が働いて、あっというまに別世界へ。「ここはナルニア?」でも、何かがちがう。そこは、残忍なミラーズ王によって魔法が失われた、1千年後のナルニアだった。4人は、王の甥カスピアン王子と共に、ナルニアに魔法をよみがえらせようとするが、やがてアスランの存在さえ疑うようになり…。児童文学の金字塔を新訳で!
●新訳のここがポイント
翻訳にあたって、原文にあるリズムを生かすように工夫されています。たとえばトランプキンが使う言葉遊びですが、
「なにをぬかすか、こしぬかす」
「そいつはどうかな、かなぶんぶん」
「なんてこった、パンナコッタ!」
「なんてこったい、こいつはいったい」
などとなっています。また原文の格調高さをくずさぬよう、配慮されて訳されています。「英米の子どもたちが原文を読んで味わうとおりの「楽しさ」――知らない世界に出会うときのわくわく感や(略)好奇心もふくめて――を大切にしました」「とくに原文の解釈には最新の注意をはらいました」と、この本の底本となった角川つばさ文庫版の1巻の訳者あとがきに記されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mariya926
127
『いちばん大切なことは目に見えない』星の王子様で出てきた一番印象的な言葉です。ルーシーにはアスランが見えるのに、他の人はなかなか見えない。これはルーシーがアスランを求め、また来てくれると信じていたからだと思います。そしてスーザンは最後まで見えない。一年前に実際にアスランとの時期を過ごしても、心の目が暗くなってしまって見えないのですね…。全世界1億2千万部!カーネギー賞受賞シリーズ。なのに日本ではそこまで読まれていない気が…。中高生にも大人にもお勧めなシリーズです。内容を何となく覚えていたのが嬉しかったです2020/11/26
葵@晴読雨読
30
寄宿学校へ戻る汽車を待っていた時、急に魔法によってナルニアへ引き戻される4人。しかし、そこは千年後のナルニアで…。1巻みたいにアスランが出てきて全て解決ではなく。とても人間ドラマでした。面白かった!一気読みです。2021/03/06
瀧ながれ
24
正当な王子が、王位を継承してナルニアのあるべき姿を取り戻さんと立ち上がったとき、伝説の二人の王と二人の女王とライオンが現れて、その後押しをする。というのが、好きなパターンの物語のはずなんだけど、そして途中まではたしかにワクワクしたんだけど、なんとも印象弱く結末したなあ、と思った、なんでだろ、戦いがうやむやに終わったからかな。…あのお祭り騒ぎも、それだけを切り取るとおもしろいんだけど…。2020/09/16
Francis
13
前の巻から千年が過ぎたナルニア国で展開されるシェイクスピアの「ハムレット」に似た王位争いに4人兄弟が介入。アスランと再会を果たし、カスピアン王子に加勢してミラーズとの戦いに臨む。訳者の河合さんが解説で書いている通り、1巻に比べると面白さにやや欠ける。それから河合さんが書かれているスーザンとルーシー兄弟の関係は新約聖書ルカ福音書のマルタとマリアのモチーフではないのかと思った。2020/09/28
フジッコ
4
カスピアン王子と古の王たちが出会って敵を倒すまでのお話なんですが、仲間割れやら不信感やら様々な苦難を乗り越えて敵に勝利したという展開が良い。アスランも目に見えたり見えなかったり、助けたり助けなかったりで『本当に大切な事は目に見えない』という言葉通りの物語でした 1巻では大きな神に近い存在同士が争う形で、話が進んだけど、2巻では人間同士の争いになって、少し地味な印象を受けるけど、私はむしろ2巻の方がいいと思いました。2023/06/23