内容説明
自称探偵小説作家の井手江南に伴われ、エマ子は恐る恐る不気味な洋館の中へ入った。そして問題のドアが開かれた瞬間、彼女は恐怖の悲鳴を上げた。部屋の隅に燃えさかる暖炉の中には、黒煙をあげてくすぶり続ける一本の女の腕が! ここ数カ月間、日夜恐ろしい悪夢に悩み続けてきたエマ子は、それが実際の事件として眼前にくり広げられたと知って戦慄した……。名探偵由利先生と敏腕事件記者三津木俊助が、鮮やかな推理を展開する傑作長編、ほか首吊り船/幽霊騎手の2篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
28
☆4 横溝氏25冊目、金田一以前に書かれた探偵小説3編。連載は1930年代だけど古臭さはほとんどなくみんな面白かった。事件のきっかけや謎解き工程、オチ等々無理がなく余計なひねくれをはさまないのが好き。エマ子は20歳前なのにあんな生活していたら事件に巻き込まれていなくても死んでいただろうな。昭和感ぷんぷんの表紙もなんか好み。2020/09/12
マッちゃま
25
中編3作。2作が由利先生ものラストの作品はミステリというより冒険活劇物。1作目が表題作でドラマ化されてます。本作を、どういったカタチで放送されているのか?今から観る日が楽しみ。氏らしい、おどろおどろしい展開が続き「ああ〜コヤツが怪しいだろ」とは思いつつもフーダニット的に見事に僕は作者の仕掛けた罠に嵌っておりました。もう1作の「首吊り船」も○○が反転しお見事。ラストは「幽霊騎手」そう呼ばれる怪盗が居り、幽霊騎手を舞台で演じる役者が主人公。「おい、そりゃ無理筋だろ⁉︎」とツッコむ用意をして楽しんでください♪2020/06/30
金吾
23
時代を感じる中編です。怪奇要素はありながらサラリと読めてしまいます。2024/10/11
coco夏ko10角
18
『憑かれた女』と『首吊り舟』は由利先生シリーズ。今回の中だと表題作がよかった。 憑かれた女/首吊り舟/幽霊騎手2025/05/22
乃木ひかり
18
由利先生の短編集。憑かれた女はどこかで読んだ気がしたが喘ぎ泣く死美人に収録されていた。ただそちらは由利先生は出てこず結末も違うので比べてみると面白いかもしれない。吉川晃司の由利先生見たいが撮影がどうなってるか心配。2020/05/15