内容説明
武蔵野の面影をとどめた杉並木に生暖かい夜霧が立ちこめる人けのない道。帰途を急ぐ新日報社の花形記者三津木俊助は、背後に尾行者の気配を感じてふと立ちどまった。意外にもそれは若い女だった。夜道の一人歩きが怖くて、と女は詫びた。うち解けた二人が善福寺池のほとりへさしかかった時、突然女が悲鳴を上げた。「悪魔が!」と女が指さす杉木立の向こうには、グロテスクな顔がボーッと浮かび上がり、無気味な笑い声が聞こえて来た……。表題作ほか六篇を収録した傑作短編集。
カバーイラスト/杉本一文
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アーチャー
25
表題作を含む計7編を収録した短編集。横溝氏の文章もスラスラ読めて、展開も実に分かりやすく、良くも悪くも時代を感じる探偵小説を堪能できます。なかでも私のお気に入りは「黒衣の男」と「広告面の女」ですが、それ以上に杉本一文氏によるカバーイラストはインパクトありすぎですね。2014/04/15
Kouro-hou
14
昭和13~15年発表の短編集。横溝角川文庫でも一二を争うキてる表紙絵として名高いw 新聞記者三津木さんのシリーズ物3編を含む。そのうち2つは由利先生も登場するが、一番活躍したのは飼い犬のクロという身も蓋もない話も。自由業の金田一さんと違って、基本リーマン記者の三津木さんは残業で遅く帰って夜道で事件に出くわすという話が多いです。また後の金田一さんの短編の元ネタになる話もいくつかあり、時期的に戦争の影の濃い作品も多い。2014/08/30
yuri_azucena
6
由利先生シリーズを含む短編集。これが戦前に書かれたものとは信じられないくらい、短くも秀逸な作品揃い。「黒衣の人」の幻想怪奇的な雰囲気が特にお気に入り。2019/02/12
ホームズ
6
短編集。由利先生と三津木俊助が登場する話もあって楽しめました(笑)『広告面の女』『薔薇王』は少し雰囲気が違った感じでした。2009/03/05
真崎結音
5
「広告面の女」不思議な隣人と尋ね人の女性に関する話。「悪魔の家」女性に助けを求められた三津木さんの話。等々力警部登場。「一週間」哀れな新聞記者と心中の話。「薔薇王」不思議な男と結婚式の話。「黒衣の人」兄の無実を信じる娘と黒衣の人からのお手紙の話。三津木さんと由利先生登場。「嵐の道化師」悲しい運命のもと出会った男女と父親たちの話。三津木さんと由利先生と等々力警部登場。「湖畔」老紳士と肺を患う男の話。2015/03/12
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