内容説明
「主人公はレモンが書店で爆発する場面を想像して、辛気くさい思いを晴らしたんやったな」――五年前に失意の美星を救ったのは、いまは亡き大叔母が仕掛けた小さな“謎”だった――。京都にひっそりとたたずむ珈琲店《タレーラン》の庭に植えられたレモンの樹の秘密を描いた「純喫茶タレーランの庭で」をはじめ、五つの事件と書き下ろしショート・ショートを特別収録したミステリー短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yunemo
506
すみません、なんとなく思惑外れの感。コーヒーブレイクをイメージしたのでしょうが。5種のフレーバー、ちょっとバリスタと離れ過ぎてしまったような、そんな感覚。多分に、バリスタを中心に置いて周辺から浮きだたせたかったのでしょう。1作品それぞれには楽しまさせていただきました。それが集合体になった時に、なんとなく生かされてない、と感じてしまうのはちょっとひねくれ?当初のコーヒーに関する蘊蓄、楽しみだったのに。それも一つの自身の原因かも。口ほどには大きな不満なく読了、と言うのが本音のところでしょうか!2015/02/13
へくとぱすかる
499
2月19日発行。……なので、発行日に約2週間先じて読了。日常の謎系シリーズには、やはり短編が似合います。いろんな趣向で楽しませてくれました。「午後三時までの退屈な風景」のトリックにはうなった。誰でも思いつくようなトリックには、その上を行く必要があるのだと、思い知らされました。「パリェッタの恋」では、実は私は全く作者の仕掛けに気がつくことなく、ラストで明かされる真相の通りにストーリーをとらえていました。そんなわけで、「なーんだ、これって、謎解きで明かされるべきことだったのか」というわけでした。次作にも期待。2015/02/07
岡本
443
3巻と併せて機内で読了。4巻目にしては珍しい短編集。1,2巻を読んだのが大分前だったので登場人物を忘れていたが読み進めていくうちに朧げながらも思い出せたのが面白かった。毎度毎度ミスリードに見事に引っかかり何とも不思議な気分に。続巻も発売されているので近いうちに読みたい所。2016/12/05
ダイ@2019.11.2~一時休止
324
連作短編集。番外編みたいな感じで美星の出番は少なめ。レモンの話が良かった。2015/02/20
SJW
300
今回は5つの日常ミステリーのエピソードと1つの特別書き下ろし掌編で、それぞれが関連していないストーリーなのでいつもと違って少し違和感がある。「ブレイクは5つのフレーバーで」という副題もついているので、息抜きの短編集ということかな。今回も読者の先入観により、「えっ」と言わせる部分があり、またやられたという感じだった。今回、介護士の学校、ダーツのルール、美術学校の話があり、自分の知らない世界の話が新鮮だった。どの話も同情したり、切なかったり、ほっとしたりと息抜きには最適。2018/05/28