内容説明
運命の子シリは〈ツバメの塔〉の〈門〉を使い、かろうじて死を免れた。彼女がたどり着いたのは美しく魔法に満ちたエルフの国。だが、シリはそこで別の闇に囚われてしまうことに。みずからの力を信じて脱出した彼女は、戦いのなかでウィッチャーのゲラルドと再会するが! 波乱万丈の大人気シリーズ、堂々完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜の女王
22
突然アーサー伝説が出てきて「えぇぇ?」。結⇒起承転の構成だった。いけ好かない魔女結社の会合、シリを探すゲラルトたちの場面、4巻で異世界に飛んだシリの旅、その合間に未来の人物が回想するシーンと、空間時間を超えた場面転換が目まぐるしい。最初SFチックなファンタジーだと思っていたが、これはファンタジー的な多元宇宙SFだ。シリのDNAを狙う連中の正体と目的が顕わに。ヴィルゲフォルツは誇大妄想狂のマッドサイエンティスト。ボーンハートはサイコパス。皇帝エムヒルの正体は・・・そう来たか!そこで終わりかと思ったら・・・⇒2020/04/02
アプネア
18
まず、前作を軽く超えてきていることに吃驚。重層的な見せ方が巧いというか、アーサー王伝説を絡め、ウィッチャー・サーガを俯瞰して研究するというメタ的な目配せによって空白を埋め、徐々に露になる世界観の全貌に圧倒される。自分的には、タイマンで剣士が魔法使いに杖でボコられるというファンタジーの世界では、あってはならないトラウマ。ゲラルトさんゲームでは、あんだけ華麗な殺陣でイキってるのに実は結構弱い?なんていうツッコミを解消できるかが気になった。もちろん、ボンvsシリも。シリーズの集大成として見事な着地だったのでは。2019/09/26
Musa(ムサ)
11
ポーランド発のダークファンタジーここに完結。シリーズを通して旅をしてきたキャラクタたちとの別れ、そして運命の子シリの旅立ちと少し寂しい最後。ビデオゲーム版三作目は事前にプレイしていたもののそれとは大きく異なる内容で、特にシリはゲーム版では超越した存在として描かれていたものが、こちらでは一人の少女としての面が大きく描かれており新鮮でした。2022/06/11
慧の本箱
10
長~いお話がやっと終わった。ゲームは全く知らなくても読み物として十分楽しめた。出来たら又、シリに会いたいなあ~。2019/10/22
たー
8
どうした?サプコフスキ!最後に来て急に面白くないぞ!様々な登場人物が出てきてるので、「一方その頃…」的にシーンも色々飛ぶことはあるでしょう。ただ最後に来て広げまくって繋がってない!流石にボンハートとかヴィルゲホルツとの対決は読み応えがあったし面白かったけど。また、圧倒的に強かったゲラルトなのに見る影がないくらい弱い!多分、人はそれぞれに物語があるとか、群像を描くことで世界観を深掘りして広げたいとか、思惑があるんだろうけど、急に知らないキャラが出てきて語られても薄いでしょ!面白かったのに超絶残念です。2020/03/24