ビッグコミックス<br> 赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD(5)

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ビッグコミックス
赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD(5)

  • 著者名:山本おさむ【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 小学館(2019/05発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784098602919

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内容説明

かつてハリウッドで、貧しき者に味方し、戦争に反対するだけで売国奴の汚名を着せられた時代があった。戦い続けた者もいた。屈した者もいた。
彼らの物語が今の、この日本で、劇画として読まれる意味はあまりに大きい!(町山智浩氏)

二大強国の冷戦が深刻化し、米国で吹き荒れる赤狩りの嵐。
ソ連の力に脅威を感じた米国政府はハリウッドの著名な映画人を共産主義者であると告発していく。その内、召喚や証言を拒否した主要な10人“ハリウッド・テン”を有罪にした非米活動委員会。
次に狙うのは映画界を代表する巨匠エリア・カザンだった。
国からも組織から裏切られたカザンが選ぶ道とは?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

17
歴史は、安易に行いに、あるいは人にレッテルを貼る。エリア・カザンのHUACへの密告は、己の保身のために仲間を売ったとして、ハリウッドでは長らく恥ずべき出来事として語られてきた。しかし、カザンが共産党員時代、その共産党の言論統制、党員の党への盲従といった状況に嫌気がさし、党ともめて、たった一年半で離党している。そんなカザンが、今度はHUACから赤狩りに追われる。右派からも左派からも標的にされるカザンは、それだけ個として生き方を曲げなかったことを証明しているのだ。(つづく)2019/06/01

ムーミン2号

8
この巻では映画監督のエリア・カザンのストーリーが中心であるが、白眉は共産党によるカザンの糾弾場面だ。資本主義の限界を感じて入党した多くの芸術家に求められるのは党の方針からブレない作品でしかなく、真の自由のない全体主義体制であって、一周回って赤狩りを進める連中と大差ないことに戦慄を覚える。このマンガの初期に登場した『ローマの休日』にしても、そして今、カザンが撮っている『波止場』にしても、時代への強烈な批判を内に秘めたものであることを知らされる。なお、全てが事実として描かれていないことは巻末で解説されている。2019/06/01

Iwata Kentaro

5
エリア・カザンとマリリン・モンローが登場する極めて重厚な第五巻。ほんまもののホラーは史実にある。左翼も右翼も自由の敵、という一冊。2019/06/12

4
4 新刊読了。『欲望という名の電車』などで映画監督として成功していたエリア・カザンに焦点を当て、引き続き赤狩りの苛烈さを描く。ポルノ雑誌を送りつける、時限爆弾のフェイクを送りつける、極めつけには子供を誘拐するなど、手段を選ばず徹底的に心を折ろうとするFBIのやり方は、どこまでが事実でどこまでが脚色なのか判然としないが(次巻の巻末の補足で明らかになるだろうか)、とにかくえげつないの一言。電気椅子での処刑を克明に描く描写もショッキングだが、少しでも電流を多く流すために照明を消すという発想は心底恐ろしい。2019/06/09

ぴっちゃん

2
今巻はエリア・カザンに焦点が当てられている。約20年前のアカデミー賞名誉賞授与時に何か支障があったことはうっすらと記憶があるが、こういう事情があったとは。カザンの中の理屈がよくわかった。思想統制の時代は怖い。スターリニズムもマッカーシズムも。無論ファシズムもどんどんエスカレートして善良なはずの人間が巻き込まれていったり糾弾者になってしまったり。我々は、こういう愚行が繰り返されないように歴史(に基づいた創作も含め)に学ばねば、と思う。2019/06/15

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