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内容説明
言論弾圧に抵抗する映画人たち
二大強国の冷戦が深刻化し、米国で吹き荒れる赤狩りの嵐。
ソ連の力に脅威を感じた米国政府はハリウッドの著名な映画人を共産主義者であると告発していく。その内、召喚や証言を拒否した主要な10人“ハリウッド・テン”を有罪にした非米活動委員会。
次に狙うのは映画界を代表する巨匠エリア・カザンだった。
かつてハリウッドで、貧しき者に味方し、戦争に反対するだけで売国奴の汚名を着せられた時代があった。戦い続けた者もいた。屈した者もいた。
彼らの物語が今の、この日本で、劇画として読まれる意味はあまりに大きい!(町山智浩氏)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
19
「我々は中立などあり得ないと考えている‼︎ すなわち共産主義と戦うことをしない者はこれを助けているのである‼︎」ジョン・ウェインのこの言葉は、彼の信条を象徴してはいるが、当時のアメリカそのものがソ連の脅威に抗するために共産主義者を標的に全国的な魔女狩りを先導し、恐怖で国民を支配する、そんな背景が後押しした発言でもある。山本おさむは、ハリウッドにおける赤狩りの時代を、単純な二項対立という構図で描くことをしない。例えば、エドワード・ドミトリクの転向を、自己保身を動機にしないのだ。(つづく)2019/03/14
ムーミン2号
6
かつてアメリカとソ連が対立し、両方共が核を持ち、宇宙へ有人ロケットが飛び立つのはどちらが早いか競争し、世界はどちらの陣営につくかで大わらわになった時代があった。まぁ、今もそんなに変わってはいないだろうが、その頃は資本主義vs共産主義という分かりやすすぎる構造があったため、「自由」を錦の御旗に掲げて行う戦争に異を唱えようものなら「アカ」のレッテルが貼られ、監獄行きになった。ドラルン・トランポもついに獄につながれ、今やエリア・カザンが標的にされようとしている。獄中の交流を示す「ラブレター」は落涙ものだ。2019/04/29
ReiOdaira
1
アメリカが実はかなり集団主義的であるという側面。2023/11/01
YS-56
0
沈黙は美徳ならず。間違っていると感じたなら声をあげられる勇気を持ちたいものです。2019/03/04
笠
0
3.5 新刊読了。『ローマの休日』のエピソードに比べると、ハリウッドテンの話が弱く感じるのは、やはり日本での知名度だろうなぁ。オードリー・ヘップバーンと言われれば誰もが知っているが、トランボとかドミトリクとか言われてもよっぽどの映画通じゃないとピンと来ないし。しかも完全フィクションの作品と違ってキャラデザでの大胆な描き分けは難しい。だからキャラクターとしては誰が誰だかいまいち入ってこないんだが、エピソード自体は面白い。2019/03/03