内容説明
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漢籍に取材した表題作他、短篇全7篇を収録。
前漢の武帝の時代の人間模様から人間の美しさと醜さを描く「李陵」、自らの自尊心のために虎の姿となった男の苦脳を綴った「山月記」など、漢籍に材を採り“人間とはなにか”を問いかける中島敦の代表作7篇を収録。
※底本の解説文は反映されておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
drago @4月は名人戦。
17
漢学者の家系に生まれた作者の代表作『山月記』。シビれました。絶品です。「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」、まさに自分のことを言われているような気がした。教訓としたい。 孔子とその一番弟子を描いた『弟子』も秀逸。作者は若くして亡くなられていて、著作数が少ないのが残念。 ☆☆☆☆☆2014/05/31
あかくま
12
『李陵』『悟浄出世』『牛人』『盈虚』『名人傳』『弟子』『山月記』の七編所収。全編を通して、漢語の持つ視覚的、音韻的な魅力にあふれている。多分に装飾的であり、美文なのだが、カラリ、すっきりした佇まいが見事。冷徹に見えて、底の方に、迷えるもの、一途なものへのどこか暖かい眼差しや共感が感じられる。中島敦。きっといいひとだったんだろうなあ。『弟子』や『悟浄出世』意地悪な人には描けないと思うわ、こういう話。月を仰いで咆哮した虎を深く印象付けるのは、その怪奇性でも李徴への同情でもない。彼への切ない共感なのだと思う。 2013/09/21
らむだ
3
表題作である李陵、山月記における各人の悩み•葛藤の描写は秀逸です。また、巻末に写真で知る中島敦、中島敦の馴染んだ横浜の街を歩く(文学散歩地図)が載っているのも良かったです。2013/03/05
さくらこ
3
「悟淨出世」と「牛人」、良かったな。2012/07/14
Jun Shino
2
漢学一族に生まれた中島敦は、中華古典から題材をとった物語を書いた。解説では芥川龍之介が国文学作品に題材を得たのに対し、という言い方をしている。なるほど、そう考えると分かりやすい。 収録作品は 「李陵」 「悟浄出世」 「牛人」 「盈虚(えいきょ)」 「名人傳」 「弟子」 「山月記」 漢文味が濃くて分からない言葉が多すぎ読む速度が遅くなったが難解だからエッセンスが浮き上がって見えるような、不思議な感覚にも襲われた。「李陵」は人間的。「名人傳」や、孔子の弟子・子路の物語「弟子」等は読みやすい。2019/03/24
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