内容説明
人気作家・怜子と若手女優・夏希の誌上対談は、和やかに行われた。……表向きは。実は怜子も夏希も、恐ろしい犯罪者としての裏の顔を持っていて……。対談と心の声で紡がれる、究極のエンタメミステリ。
※本書は二〇一五年六月に『私情対談』として小社より刊行された単行本を加筆・修正の上、改題し文庫化したものが底本です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mapion
172
対談のシーンでは参加者の発言が建て前となり、心の声として本音が語られる。建て前は明るく柔らかく、本音はドロドロ、ギスギスしていて落差が大きい。これってコントのよう。作者は元芸人さんだそうで、なるほど。でもコントで終わることなく長い独白の中で、彼らが実は大変なことをしでかしていたり、しようとしていたり、酷い話を聞く事になる。なにせミステリですから。とにかく話しは2転3転ころがりまくりで、そういうのを楽しめる方には面白いと感じて頂けるかと。作者さんは色々とアイデアをひねり出したのです。作者さんご苦労様でした。2025/05/19
タイ子
93
何なんだ、この奇妙な面白さは。対談形式で始まるので読みにくいのかと思いきや、対談者の心の声が同時に聞こえるように構成されているのでこれが面白い!サッカー選手、女優と作家、ドラマの番宣対談、ロックバンドなど。心の声がみなゲスでクズな野郎たちばかり。そして、あの人もこの人も繋がっていき、最後に・・・ひぃ~!こんな有名人の裏の顔、ホントだったら面白すぎる。よく思いつきますね、こんなストーリー。2018/11/19
H!deking
92
毒っぽくて面白かった!木下半太とか好きな人はいけそうですね。ただ、対談形式ってのがちょっと読みにくくてハマるまでに時間がかかる。ラストは好みでした!2019/03/16
dr2006
77
「神様の裏の顔」で読み知った藤崎さん。今作もミステリーだが、雑誌の対談形式で、対談者等の会話に加えてそれぞれの私情が(括弧書き)で付則しているプロット。読書感はとても新鮮だ。ユーモラスな味付けはされているが、その括弧書きで語られる人の黒い裏の顔が半端なく怖くて、後でゾクッとする低温のイヤミス感がある。それに、数え切れない程のどんでん返しに目が回る(汗)なので、登場人物を確り記憶して一気読みするのが良いと思う。うぅ~誰も信用できなくなるよなぁ!まんまと騙されたぁ(笑)2018/06/06
ジンベエ親分
66
この作家、トリッキーだが面白い。今のところハズレなし。本作は対談+心の声、という構成だが、各章は独立しているわけではなく緩く繋がっている。読者がもう一つの繋がりに気づいたあたりから各話の緊密な繋がりが見え始める。そして最後はドタバタと話がひっくり返りながら予想不可能なラストへ。とにかく登場人物の誰もが小悪党だったり歪みきっていたり、ロクなやつはいないのだが、この作者独特の妙な愛嬌のため、彼らの悲惨な末路にはそれなりの無情感が…(笑) ただ、他の作品に多用されるお下劣なギャグが少ないのはちと物足りない(笑)2019/08/18
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