内容説明
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表題作「手袋を買いに」は、雪のせいで手が冷えてしまった子ぎつねのために、きつねの母子が手袋を買いにいくお話。人間嫌いの母ぎつねは、きつねとばれないよう子ぎつねの片手を人間の手に変えて、この手でお金を差し出すよう言い聞かせて、子ぎつねだけを町へ送り出しますが……。 わずか29歳でこの世を去りながら、日本のふるさとの風景を舞台に、“人の心の優しさ”や“生きることの悲しさ”を描いた新美南吉の名作童話11篇を収めた、心あたたまる1冊です。
※底本の解説文は反映されておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポップ
36
南吉のふるさと訪問を機に再読。本書は彼が生家で書いた作品の多くを収録。教師として子どもたちと触れ合い、都会と田舎で生活を送った体験から、ふるさとに根ざした童話へ惜しみなく注がれている。「ごんごろ鐘」「耳」「疣」「和太郎さんと牛」あたりは、おかしみの中に時代背景が顔を出す。「小さい太郎の悲しみ」おとなは子どもに戻れない。当たり前のことなのに、太郎の悲しみが伝う。「狐」甘えん坊の文六ちゃん。お母さんとの会話は涙を誘う。「手袋を買いに」幻想的で美しい物語。母狐のつぶやきは20歳の青年から送られたはなむけの言葉。2019/07/31
たいち
12
「お母ちゃん、お手々が冷たい、お手々がちんちんする」という懐かしのセリフ。幼心になぜ「ちんちん」なんだと思ってた。それはまぁいいとして、歳をとって改めて読むと、文書の美しさと優しさに心奪われる。その他の収録作品も、日本昔話に出てきそうな物語が多数。『ごん狐』が読みたかったけれど、入ってなかった。どんな物語だったか全然思い出せない…。というわけで、次はごん狐を読むことにしましょう。2014/09/25
たろいも
10
【青空】狐子供が、人間の街に手袋を買いに行く、間違って狐の手を出してしまった子狐。歳をとって改めて読んだ、文書がとても優しくて平和な気持ちになる。人間とは本当にいいものだろうか?母狐のセリフが意味深い。2015/11/08
ここ
4
純真な子供の目を通して、生きていく間によぎっていく、無垢な心をかき乱す光と影を描いた成長と青春の物語。物事への感じ方や行動が大変素直で等身大らしく思えるのは、学校教師であった著者の物事を観察する目が確かなせいだろう。 「年よりは、ぜんぜん団体精神を知らん」といった、さりげなく当時(大正~昭和初期)の日常のリアルを醸し出すのも上手い。2022/03/12
けいちか
4
超有名児童文学を初めて文庫の形で読んだ。「手袋を買いに」はその昔何かで読んだ覚えがあるが、他の作品は初読み。戦時中の話ばかりなので、少し気がめいるが、時代を反映しているともいえる。2015/05/24
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