内容説明
みつば郵便局に配属された新人のお目付け役になった秋宏は、誤配を謝りにいったり、クセのある先輩に嫌味をいわれたりしつつも、今日も季節の風をうけてバイクを走らせている。そんなある日、配達先のマンションで不思議な女の子と出会う。彼女は秋宏を待つようになって……。不登校の少女とのやりとりが温かい「シバザキミゾレ」、転校した教え子との約束を描いた「先生が待つ手紙」など4話を収録。小さな奇蹟の物語、第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kanegon69@凍結中
157
シリーズ第2巻。読んでいて癒される作品ですね。そうだなぁ、切ったばかりの爪をヤスリで滑らかにしているような感覚でしょか。人間関係を良好にするには相手を思いやる想像力と、そして適正な距離感を保つ事が必要だと思う。小野寺さんの物語は色々な登場人物がでてきますが、主人公秋宏を中心にとてもほどよい距離感を保てているから読んでいてとても共感できるし、とにかく心地よいのです。SNSだけの友達でも基本は同じ。相手を思いやり、適度な距離を保つ事が大切だと思う。心がささくれやすい今日この頃に是非お勧めしたい素敵なシリーズ!2020/04/25
初美マリン
145
郵便配達の仕事を本当に丁寧に真面目にしかも楽しんでいる。凄いなあ!冷静で思いやりがあってほのぼのとしてなぜだろう、あのひねくれた谷さんも打ち解けて、じっくり考えて行動すりからかな。2021/02/04
おしゃべりメガネ
132
シリーズ2作目です。芸能人の兄を持つ郵便配達員「秋宏」のほっこりする人情物語で、四編からの連作集です。とにかく落ち込むようなシリアスな文章がないのが、読んでいて何より安心できます。前作で登場した「たまき」さんや「百波」さんもしっかり登場し、「秋宏」もしっかり先輩になって奮闘しています。ちょっとややこしい先輩「谷」さんも新たに加わりますが、それはそれで大事なキャラかなと。季節の変化に伴い、人々の出会いと別れ、新たな旅立ちと描かれており、改めて出会いと別れはしっかりと受け止めて、いいモノにしたいと思いますね。2019/03/17
おしゃべりメガネ
124
約1年半ぶりの再読で、ひととおり最新刊まで読んでからなので、やはり懐かしさみたいな感じを楽しんでいます。シリーズ第2弾にして、安定感抜群の構成はやはり小野寺さんがただ者ではないコトを改めて認識させてくれます。今作において、あのややこしい先輩「谷」さんが登場しますが、そんなトガった谷さんもある意味新鮮なキャラでインパクトありますね。今作ではやっぱり栗田先生との話が一番ココロに残ります。サラッと書いているようで、なかなか深い話でした。こういう話を読みやすく、自然に書いてしまうトコに作者さんの異才を感じます。2020/11/08
ひさか
122
2015年2月ポプラ文庫刊。書き下ろし。シリーズ2作目。シバザキミゾレ、そのあとが大事、サイン、先生が待つ手紙、の4つの連作短編。秋宏は、まっすぐな考え方をするのがいいと思う。2021/02/28