内容説明
アパートの階下に、好きな作家が住んでいたら? 郵便配達員として知り得た個人情報を教えるわけにはいかないが、今日もその作家の話題になってしまい……(『階下の君は』)。届いた封筒の底が抜けていて大事なものが入ってない! 探しものは見つかるか(『あきらめぬがカギ』)。街に暮らす人々の思いを柔らかく受け止めながら、きょうも風のなかをゆく。心優しきポストマンの連作短編、人気シリーズ第6弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
145
みつば郵便屋さんシリーズの第6弾です。登場人物もしっかりとキャラが確立してるので、何の心配もなく安心して読むコトができます。主人公「秋宏」も30になり、これはこれで時の流れを感じます。先輩「谷」さんや「美郷」さんもサラッと登場し、兄「春行」もしっかりと登場します。相変わらずなんてコトない出会いから生まれる人情エピソードがそれぞれ秀逸で、4つの話でしたがイッキに読んでしまいました。本作に出てくる人は皆さん、本当にいい人ばかりでココロがほっこりします。他の作品で登場する方々もサラッと出てくるのがいいですね。2020/11/07
モルク
122
シリーズ第6弾。秋宏もみつば郵便局7年目。年齢も30歳を迎えた。大きな変化はなく、まわりのあたたかい人々とのゆったりした時間が流れる。他の作品にも登場していた人が本作にも出ているのを目にするのは楽しい。次はいよいよたまきさんとの恋愛に進展とか、転勤とか変化があるのだろうか。2021/06/07
初美マリン
117
シリーズ6、何気ないそれでいて大切な日々の暮らし日常、それがここにある2021/02/15
いたろう
89
シリーズ第6作。ゆっくりとシリーズを読み進めてきたが、とうとう現時点での最新作に到ってしまった。配達先で、「殿堂入りのポストマンにしてこの町のダーリン」とまで言われ、皆に好かれている「みつばの郵便屋さん」平本秋宏。異動の目安が5年という郵便局で、みつば局も7年め、1作めで25歳だった彼も30歳。恋人のたまきは年上だし、次作あたりで、結婚話が出てきてもおかしくない? 早くまた続きが読みたい。ところで、たまきが住むカーサみつばの1階に住む、丸刈りの小説家は、小野寺さん自身がモデルなのでは?と思えて笑えてくる。2021/08/12
ひさか
86
2020年11月ポプラ文庫刊。書下ろし。シリーズ6作目。階下の君は、今日もゼロベース。あきらめぬがカギ、秘密の竹屋敷、の4つの連作短編。町をめぐる郵便配達屋さんのお話。些細なことを興味深く書いてあり、繰り返し要素もそれなりにあるのだが、内容に飽きがこなくて面白い。これは凄いことです。2021/03/22