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内容説明
名作『狂気の山脈にて』と世界観が繋がり、「タイムリープ」「ボディ・スナッチャー」等をテーマとしたもっともSF的テイスト溢れる長編作に、ラヴクラフト描きとして最高の評価を受ける絵師が遂に挑む! 衝撃の完結巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
71
記憶喪失中の行動を妄想とし正気を保っていた主人公の前にもたらされたオーストラリアの遺跡の報。そこで目にしたものとは。全編に引き続いて、兎に角筆者の筆力に圧倒される。オーストラリアの砂漠の描写に、「盲目のもの」のデザイン、そして何より「イスの大いなる種族」の廃都と図書館の様子。個人的には著者の描く建物の描写に酷く惹かれるのだが、今回は都の様子、図書館の様子、そして滅んだ図書館の様等でそれが思いっきり堪能できるのは嬉しい限り。「盲目のもの」の姿かたちも思いっきりラヴクラフトしていてこちらも大満足であった。2022/07/13
sin
48
宇宙の年輪の内に於いて人類の歴史は微かな線に過ぎない。自分達が探求し発見した事物もまだ僅かにして、未だ見ぬ戦慄の真実を秘めたままである。ラヴクラフトはその感じる処を“コズミックホラー”と云う物語の形で表現した。その純粋なる畏怖は後世に伝えられ、物語は神話と化した。2019/01/16
ぐうぐう
30
常軌を逸した妄想を精神病の症例と判断するのは、いわば精神の均衡を保つ人類の知恵なのだろう。と同時に、人類以上の存在を認めたくない意識がそうさせているのかもしれない。ラヴクラフトは「大いな種族」が未来へ精神を飛ばし、人類の目を通して見た未来を歴史として記すという設定を用意する。その合理的な真相は、しかし人類には危うい。不可視なるものを見ようとする行為は人類を確かに進化させたが、そこに絶対的な存在の気配を感じる時、人類は目を閉じるしかなくなる。本作の結末が示すように、それこそが人類を救う唯一の方法なのだから。2023/05/21
エル・トポ
19
記憶喪失から戻ってきた博士。妄想だと思い込んでいたものが、太古の知的生物から精神交換されたものだったという、トーシツ患者が読んだら悪化しそうな物語。「大いなる種族」「盲目の物」「図書館」等の絵の世界観が凄い。絵にパワーがありすぎて、1巻読了後すぐに2巻を購入するも、体調・精神ともにすぐれた時でないと読めなかったため、間があいてしまった。「人間が見てはいけないものは、存在する。」他の作品も読みたくなった。2023/07/22
うなぎ
17
自分の妄想であんな悪夢をみてたと納得しようとしたら、オーストラリアに夢に出てきた建物っぽいものがあると知らせが。まさかあの夢は現実だったの!と行く話。イスの偉大なる種族の宿敵、盲目のものが思ってた以上にすげークリーチャーでショゴスよりスペック的には危ないんじゃね?と思ってしまったけど、そういやアイツ等だんだん衰退してくって小説には載ってたっけ。小説に出てた主人公がお話したメンバーが胸熱だったのにサラッとしか流してなくて悲しい。狂気山脈のダイアー教授があまり大したことしてないけど出てきてテンション上がった。2020/06/11