内容説明
つらい境遇に耐えられなくなったデイヴィッドは,唯一血のつながりのある伯母をたよって,その家になんとか辿り着いた.そこで新生活を始めたデイヴィッドは,やさしいアグネスや,こびへつらうユライア・ヒープなどと出会う.そして,スティアフォースやエミリーとも再会を果たすのだった.新訳.(全5冊)
目次
目 次
第十三章 決心の顛末
第十四章 伯母さんは決心する
第十五章 新たな門出をする
第十六章 いろいろな意味でぼくは新米
第十七章 巡り合わせ
第十八章 青春のあの頃
第十九章 まわりを見渡し、ぼくは発見する
第二十章 スティアフォースの家庭
第二十一章 ちびのエミリー
第二十二章 懐かしい地に新しい人たち
第二十三章 ミスター・ディックの言葉が裏づけられ、ぼくの就職も決まる
第二十四章 生まれてはじめての放蕩三昧
注
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
127
社会の底辺での長時間労働と空腹の日々は著者にとって人生の大きなトラウマだった。マードストンと一見対称的なミコーバーもまたデイヴィッドの苦悩に思慮はない。著者の父親をモデルとするこの2人には自伝を書くには余りにも複雑な彼の心境を見て取れる。この関係性はストロング博士と娘くらい歳の離れた妻の溝も重なる。脱出を決意したデイヴィッドは満身創痍で大伯母の元に辿り着き新生活を始める。その対面は大人たちに虐げられてきた少年の警戒心を繊細に表現した名場面。大伯母が継父をこっ酷く追い返すくだりとディックの助言が小気味良い。2017/08/21
syota
26
デイヴィッドが大伯母の庇護を得て安定した境遇を獲得、学校を無事卒業して就職先がきまるまでを描いている。怪しげな人物の出没など伏線があちこちに貼られていて、次巻以降波乱を呼びそう。この巻全体が起承転結の承にあたる部分だと思われ、第1巻以上に変化が少ない。そのため、個々のエピソードはいずれも面白いものの、一気読みするほどの迫力は感じなかった。われらがデイヴィー坊やもだいぶ大人にはなったけれど、うぶですぐ誘導尋問に引っかかったり、相手を信じてしまう性格は健在で、ちょっと心配^^;2016/10/21
ももたろう
23
198ページまで読んだ。ディケンズの人間に対する温かい眼差しや、個性的で極めて身近に感じる登場人物たち、そして物語自体も面白いし、良いところがたくさんあるんだけど、ちょっと長すぎると感じてしまった。また再チャレンジしたい。2017/12/28
うた
22
捨てる神あれば拾う神あり。マードストンの支配下を飛び出してきたデイヴィッドは、所持金と持ち物のほとんどを失うという災難に見舞われながらも、どうにか叔母さんのところまで辿り着く。着いたところで、運が開けてくるわけなのだけれど、話は途中から周囲の人々の観察記の様相を呈してくる。死んだ魚のようなユライア・ヒープに、ウィックフィールドの親子、校長夫婦にその家族。荒涼館のエスタもそうだったけれど、デイヴィッドは無垢のようでなかなか鋭いところを観ている。2016/10/02
コニコ@共楽
21
新潮文庫で読んだ後、こちらの訳で再読です。原書と比べながら読んでみましたが、この訳の方がディケンズの文体により近い気がします。この訳だと、デイヴィッドの庶民的なくだけた言葉がすっと馴染める気がします。デイヴィッドの青春時代が微笑ましくも、ちょっと心配になります。やっと就職が決まって、一人暮らしを始めるところまで来ました。「生まれてはじめての放蕩三昧」の章では、不慣れなもてなしと、今の世にもありそうな二日酔いの失態に笑えました。そんな酔っぱらった状態でも、彼は自分を客観的に見ているのが面白かったです。2022/05/19
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