内容説明
ドーラの父親が突然の死に見舞われ,ドーラが窮状にあることを知ったデイヴィッド.自分がしっかりしなくては,と安定した生計の資を得るべく速記法の習得に死に物狂いの奮闘をする.そして,ついに念願だったドーラとの結婚を果たすものの,ドーラは家政能力がまるでなく,デイヴィッドは一抹の不安を覚えるのだった….(全5冊)
目次
目 次
第三十八章 共同経営の解消
第三十九章 ウィックフィールドとヒープ
第四十章 さまよい人
第四十一章 ドーラの伯母さんたち
第四十二章 悪事
第四十三章 再び青春の頃を想う
第四十四章 新生活
第四十五章 ミスター・ディック、伯母さんの予言を実現する
第四十六章 消息
第四十七章 マーサ
第四十八章 家庭
第四十九章 謎に巻き込まれる
注
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
120
念願の新家庭を持ったデイヴィッドは、幼な妻を自称するドーラに伴侶としての頼りなさを覚える。本性が露わになってきたユライアの卑屈を突き詰めた奇抜な滑稽味はまず著者にしか出せまい。造形手法に初期と後期の長所がバランス良く出ている点も本作の魅力。エミリーとの再会には『ドンビー父子』に続き娼婦への同情が現れている。信仰や体裁を傲慢に利用するマードストンやステアフォース親子に対して愛と赦しの実践者ダニエルの対比にはキリスト教会への権力集中に対する危惧が背景に浮かび上がる。いかに思想があっても実践なくして救いはない。2017/08/24
syota
26
デイヴィッドはとうとうドーラと結婚してしまった。世間知らずで家事能力ゼロ、論理的思考など皆無のおバカ女だが、赤ちゃんのように純真無垢でひたすら愛らしく、まるで周囲の愛玩物…とここまで書いて気がついた。これって家事能力がないことを除けば、イプセンが「人形の家」で痛烈に批判した“男が求める可愛い女”そのものではないか。ディケンズはそこまで意図してはいなかっただろうが、人物の性格を類型化して描く彼の手法が、結果的に巧まざる社会風刺、男の身勝手な願望の矛盾を描き出していて、感心してしまった。2016/10/26
きゃれら
18
名場面が次から次に展開する4巻。若い頃読んだときにはきっと感じていなかった味わいが心に広がる。それにしても、ヒープの気持ち悪さは十二分に伝わってくるけど、邪悪性の具体的な中身がわからず、被害者たちの苦境が理解できず、もどかしい。と思ったら、この巻最後に気になるミコーバさんの手紙が…。間をおかず最終巻へ。2023/07/09
ソングライン
16
恋するドーラとの付き合いを父スペンロウ氏に反対されるも、氏の突然の死によりドーラと結ばれるデイヴィッド。愛くるしいが生活感のないこの赤ん坊奥さんとの生活の中で、考え方と目的とがお互いにかみ合っていない結婚の行く先に不安を感じ、姉と慕うアグネスとの互いに尊敬、助け合う関係を懐かしく思うデイヴィッド。作家としての地位を築き始める彼の元にエミリーとスティアフォースとの別れの知らせが届きます。いよいよ最終巻へ。2021/11/03
しんすけ
14
伯母さんの倒産から、物語は暗い方向に転じてしまった感がある。ドーラのような生活感が無い令嬢と結婚したらデイヴィッドは不幸になるだけだ。 鈍い読者でも、そのくらいは十分予測できる。それでも婚約は進行していく。 『デイヴィッド・コパフィールド』がディケンズが40歳になろうとする頃の作品であることを思うと、ドーラとの結婚を承服して書いていないことは予測される。 起承転結の「転」の部分をディケンズなりに十分配慮して記述したに違いない。 ドーラには腹立たしいものさえ感じるが、これもディケンズの計算のうちであろう。2021/04/13




