内容説明
マルチンゲール理論は計量経済や臨床統計において実用化されているさまざまな手法の基礎を与える数学的理論である。本書はそのような現場に立たれている方々に、同理論にもとづく統計解析を厳密さを損なうことなく平易に解説した初の和書である。この分野の研究者を目指す学部上級～大学院生やまだ同理論に精通していない研究者の方々が本格的研究を始めるにあたっての基礎作りをするための好個な１冊である。
目次
１．読者へのメッセージ
２．半マルチンゲールによる統計的モデリングへのいざない
３．読みはじめるにあたって
４．「確率過程の統計解析」への最短入門
５．離散時間マルチンゲールのエッセンス
６．連続時間マルチンゲール
７．尤度の公式
８．漸近理論のためのツール
９．確率過程の統計解析
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
horihorio
1
統計に携わる上で有用なものは、との観点から、マルチンゲールに基づく確率解析を概観している書籍。金融工学からの観点での類書は多いが、統計からの観点の和書は初めてではなかろうか。その点で有益と考える。また単に、元々が大学での講義録というだけあって、マルチンゲールベースでの確率論への取っ掛かり、という点でも、適度な分量で適切と考える。2012/02/22
